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Press Release

米空軍とGEが金属アディティブ・マニュファクチャリング分野で共同研究 F 110エンジンのサンプカバーを3Dプリンターで製造し、技術的なマイルストーンを達成

May 26, 2020

  

サンプカバー
写真:米空軍の緊急維持対策室(Air Force’s Rapid Sustainment Office)との協同プログラムでは、交換用部品のサプライチェーンの即応性、持続可能性(サステイナビリティ)およびリスク軽減のためにアディティブ・マニュファクチャリング(AM)技術の活用を促進させている

 

当プレスリリースは米国時間5月15日にシンシナティで発表されたニュースの翻訳版です。英語原文はこちらでご覧いただけます。

【米シンシナティ2020515日】 -2019年半ばにGEアディティブとGEアビエーションは、米空軍に対して持続性、即応性、コスト効率を求めるニーズに対応するためのアディティブ・マニュファクチャリング(AM)技術を活用した共同プログラムを提案しました。

米空軍の緊急維持対策室(Air Force’s Rapid Sustainment Office、以下RSO)は、航空機の運用と維持に不可欠なテクノロジーを迅速に特定、活用、推進することで準備体制を強化する任務を負っています。また、相当数の航空機が導入からまもなく60年が経過しようとしており、交換用部品(スペアパーツ)の調達や製造が困難になり、リスクとなる可能性があります。

GEはAM活用において民間航空業界での厳格な規制要件を満たしてきた実績を有しており、米空軍が独自のAM推進と耐空証明や認証への対応体制を整える中で、RSOにとってGEとの協働は興味を惹くものでした。

RSOのプログラム担当副責任者、ネイサン・パーカー(Nathan Parker)氏は次のように述べています。
「RSOはGEアディティブとのパートナーシップを通じて米空軍向けにAM造形部品を提供する取り組みをできることを嬉しく思います。GEの成功体験は、飛行の継続に必要な部品を迅速に入手するための体制を作るのに役立ちます」

空軍のライフサイクルマネジメントセンター(AFLCMC) LP推進総局のベンジャミン・ベーム(Benjamin Boehm)大佐は、「米空軍とGEとの共同プログラムは、現在および将来の米空軍の持続可能性の課題を解決するための選択肢として金属3Dプリンターで造形した部品を採用する可能性を示しています。サプライヤの数が減少したり需要が少ない部品の場合は、既存の製造業者にとって魅力的な発注ではなく、AMがレガシー推進システムの部品を調達する代替方法となります」と述べています。

AMではスピードが重要
GEとRSOとのコラボレーションは、GEアディティブとGEアビエーションのエンジニアリング・チームおよびサプライ・チェーン・チームが外部顧客のために連携した初の事例です。

GEアビエーションの先端材料ソリューション担当ゼネラルマネージャー、リサ・コロア-バッカリー(Lisa Coroa-Bockley)は次のように述べています。「空軍は、準備体制の構築と持続可能性の向上のために、できるだけ早くAMの能力を獲得したいと考えていました。スピードはAM分野において大変重要であり、LEAPエンジンの燃料ノズルチップやGE9XエンジンのAM部品で得た経験を活かすことで、エンドツーエンドのソリューションを提供することができました。また、厳しい認証プロセスから学んだ教訓を適用することで米空軍のAM推進を加速させることができました」

オクラホマ州のティンカー空軍基地 ( AFB ) で推進維持部門の主任技術者を務めるメラニー・ジョナソン(Melanie Jonason)氏は、同部門が当初からこのプログラムに参加することを切望していました。「レガシー部品を再設計し、従来は鋳造されてきた部品をAMで少量生産することで、空軍の整備サポート体制を向上させる可能性が非常に高くなります。迅速かつ再現性・反復性の高いプロセスの開発に注力する価値があります」

ジョナソン氏と彼女のチームはGEアビエーションの大型軍用エンジンチームと、同チームのチーフエンジニアであるマット・ソールウィンスキー(Matt Szolwinski)博士と緊密な協力関係を築いていました。チームにはエンジニアリングマネージャーのジェイムス・ボナー(James Bonar)のほか、GEアディティブの複数分野にわたるエンジニアチームが加わりました。

ソールウィンスキー博士は「ティンカー空軍基地は米空軍のためのAMプロジェクトの推進拠点であり、ジョナソン氏はAMを提唱する中心人物です。彼女のチームと協力して部品とプロセスを提供するためのパートナーと問題解決に精力的に取り組んできました。それが共同プログラムのパートナーに力を与え問題解決に導き、部品とプロセスの確立に貢献しました」とコメントしました。

米空軍とGEは、段階ごとに複雑さと規模が増大する「スパイラル開発」モデル(ソフトウェア開発を強化するためにしばしば使われる概念に基づく)に基づくプログラムに行きつきました。このプログラムでは、より単純な部品識別から、部品および部品群の統合に移行し、最終的には共通のコア熱交換器などの複雑なコンポーネントやシステムに取り組みます。

技術的なマイルストーンを達成
同チームは最近、このプログラムの第一段階であるフェーズ1を開始し、F 110及びTF 34エンジンの保守用交換部品を特定し、その耐空証明を行いました。

ソールウィンスキー博士とチームは鋳造業界がいかに拡大してきたかを直接経験しており、また一部の部品の 「コールドスタート」 でのリードタイムが2~3年かかることが珍しくないことから、AMプロセスをどのように、どこに活用するかについて、模索を始めていた。そして、F-15およびF-16に使用されているGE製F-110エンジンのサンプカバーの予備作業が完了し、この部品が第1フェーズの焦点となりました。

F110 AV

GEアディティブのエンジニアリングマネージャー、ジェームス・ボナー(James Bonar)は次のように述べています。「F-110エンジンの他の部品と比較すると、サンプカバーは機能性が低いかもしれませんが、非常に重要なコンポーネントです。耐久性に優れ、シールを形成し、エンジン全体が機能するようにする必要があります。これはF-16 のような単発エンジンの航空機では非常に重要です」

GEアディティブはGEアビエーションと緊密に連携し、従来はアルミニウムで鋳造されていたサンプカバーの研究を進めました。ボナーのチームはシンシナティにあるGEアビエーションのアディティブ・テクノロジー・センター(以下、ATC)でパラメーターの微調整とダイヤルインプロセスにおいて堅牢な設計手法を確立しました。ATCではGEアディティブのレーザー式金属3Dプリンターのコンセプト・レーザー M2を使い、コバルトクロムを材料にAMで造形される初のサンプカバーを製造しました。

「そのプロセスの一環として、鋳造品に伴うリスクを迅速に排除する方法や、製造中止になった部品や、プラットフォームの飛行を維持するために必要な小規模製造部品をAMで代替する方法を検討しました」とメラニー・ジョナソンはコメントしています。

「GEとのプログラムは予定よりも早く進んでおり、サンプカバーについてはすでに準備作業が済んでいたため、私たちは迅速に前進することができました。空軍のAM部品の耐空性を証明するプランを構築するにあたって、各フェーズの完了は重要なマイルストーンとなります」と、ティンカー空軍基地の推進統合部門の責任者であるベス・ディトマー(Beth Dittmer)氏は述べました。

今日の準備を明日の進歩に繋げる
フェーズ1bはすでに計画されており、スパイラル開発モデルに沿って複雑さを増し、サンプカバーハウジングと40年以上運用されているTF34エンジンの部品群に焦点を当てます。

プログラムが次のフェーズに入ると、米空軍とGEのチームは、興味深い交差点に到達することになります。すなわち、米空軍の現在のニーズである即応性と持続性に対応しながら、将来にも目を向けてAM技術がどのように進歩を遂げ、民間および軍事の航空宇宙分野で、これまで見たことのないものの設計、製造、および認証に役立つかということです。
 

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アディティブ製造について
アディティブ製造(積層造形、⾦属3D プリンティング、AM)は、その無限の可能性で世界の常識を変えています。すでに製造の現場にディスラプション(革命的な変化)をもたらし、設計や製造工程を加速させています。アディティブ製造技術は、より軽く、強く、効率の良い部品を作ることで製品のパフォーマンスと品質を⾼めます。CAD ソフトをベースに、材料を幾何学的形状に重ね上げ「積層または付加」してモノを作り出す製造⽅法であり、通常の製造において材料を切削し、「除去」加⼯する工程とは真逆の発想です。アディティブ製造技術によって、商品化までの時間短縮、コスト削減、競争率の向上、CO2排出削減等が実現します。

 

GE アディティブについて
GE アディティブは、ビジネスに革命的な変化をもたらす先駆的なアディティブ製造技術において世界を牽引しています。最先端の⾦属 3D プリンター造形システム、質の⾼い造形材料、およびアディティブ製造における⻑年の知識と経験に基づくコンサルティングサービスを総合的に提供し、企業が画期的な新製品を開発・製造するための支援をします。アディティブ製品は、企業の様々な設計や製造上の課題を解決し、ビジネスメリットをもたらし、ひいては世界をより良い⽅向に変えていきます。GE アディティブには、⾦属 3D 装置メーカーのコンセプト・レーザーおよびアーカム、材料プロバイダの AP&Cが含まれます。

* GE の商標は 1 カ国もしくは複数の国で登録されている可能性があります。
 

本件に関するお問合せ先:

GEアディティブ
広報マーケティング担当: 松元涼子
Email: [email protected]


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