ロール・ツー・ロール製法による、薄型でフレキシブルな有機EL照明でツリーを作成
万能照明の商用化に向け明るい兆し
*12月17日に米国にて発表されたプレスリリースの全訳です。
2008年12月17日【ニューヨーク州ニスカユナ】
GEの有機EL(OLED)研究開発を担う科学者やエンジニアが、ニューヨーク州ニスカユナのGEグローバル・リサーチ(GEの研究開発の中枢を担う)で、史上初となる有機EL照明のクリスマスツリーを点灯し、間近に迫ったクリスマスを祝いました。このツリーは、GEが開発した有機EL(OLED)照明デバイスをロール・ツー・ロール (Roll-to-Roll) 製法で製造する装置を用いて製造された薄型で、フレキシブルな(形状などを柔軟に設計できる)有機ELシートを土台に巻き付けて、木の形に見立てたもので、その緑色に輝く姿は、この革命的な照明技術が今後、照明器具業界を一変させる可能性を秘めていることを象徴しています。
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GEの有機ELプログラムを率いるアニール・デュガルは、次のように述べています。「ツリーの規模では、ニューヨークのロックフェラー・センターに飾られたツリーや、ホワイトハウスのナショナル・クリスマスツリーにはまだ及びませんが、私たちの研究は着実に前進しています。GEならではのこの有機ELツリーが、クリスマス休暇中も、人々の想像力を刺激・触発し、この次世代照明技術が秘めた無限の可能性を引き出すきっかけになれば、と考えています」
また、GEのコンシューマー&インダストリアル事業部でグローバル・プロダクト・ゼネラル・マネージャーを務めるジョン・ストレイニックは、次のように述べています。「このデモンストレーションは、クリスマス・ムードを高め、研究チームの結束を示すだけでなく、有機EL技術のこれまでの進歩を披露し、同技術が実用段階に到達したことを証明する企画でもあることを、顧客の皆様にはご理解頂けることでしょう。同技術は、画期的な照明器具やインテリア・デザインへの応用が期待されています」
コンシューマー&インダストリアル事業部は、今後数年間で、企業および一般消費者に向け、有機ELの商用化を進めていく予定です。
有機ELは、2枚の電極で挟んだ有機材料の薄膜に電荷を加えて発光させる次世代の照明技術です。照明器具に新たな改革をもたらす技術と期待される有機ELは、その多様なデザイン性により、一般家庭だけでなく、企業においても、従来とはまったく異なる照明器具として活用されることが想定されています。さらに、有機ELは、電力消費効率の向上および環境への配慮といった点においても、従来の照明器具をはるかに上回る可能性を秘めています。つまり、消費電力を抑えつつ、現在市場に出回っている現行製品と変わらない照明品質を提供できるのです。
2008年初頭、GEの研究チームは、ロール・ツー・ロール製法を採用した有機EL照明器具の製造に世界で初めて成功し、有機EL研究において大きな成果を上げました。ロール・ツー・ロールは新聞印刷とよく似た製法で、有機EL照明が一般的な照明器具業界においても商業的に実現可能であることを示す上で、この製法が重要な役割を果たすと考えられています。
デュガルは、以下のように話しています。「有機EL照明器具の市場投入を成功させるために必要な水準を満たすべく、私たち、研究チームは大きく前進しています。今後も、着実に研究を進め、ロール・ツー・ロール製法の特色を生かして製造可能な照明器具の構造を模索し、電力消費効率や照明品質の向上に取り組んでいきたいと思います。お客様に、お求めやすい価格で、有機EL照明器具を提供できるよう、尽力してまいります」
有機ELクリスマスツリー点灯の模様
*GEグローバル・リサーチでは、「From Edison's Desk」(http://www.grcblog.com/?p=415)と題したブログを製作しています。同ブログでは、世界最大規模を誇り、また最も多様性に富んだ企業研究所であるGEグローバル・リサーチの研究者と世界中のテクノロジーに大きな関心を持つ人々がテクノロジーの未来について語り合う独自のフォーラムとして機能しています。同ブログには、毎週、GEの研究者が、最先端の技術などを中心として様々な示唆に富んだコラムを掲載しています。上記リリースにて記載されている有機ELクリスマスツリーを点灯する模様についても、映像、および写真にてご覧いただけます。
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GEグローバル・リサーチは、世界有数の多様性に富んだ研究開発センターの1つで、GEの全ての事業部門と協力し、世界に革新的なテクノロジーを供給しています。GEグローバル・リサーチは100年以上にわたり、GEのテクノロジーの中核として、医療画像、発電、航空機エンジンや照明などを含む様々な分野における革新的な技術を開発してきました。GEグローバル・リサーチはニューヨーク州ニスカユナに本部を置き、インドのバンガロール、中国の上海、ドイツのミュンヘンにも研究開発拠点を設立しています。詳細はwww.ge.com/research(英語)をご覧ください。
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