~コンパクトなボディに機能性や操作性を高い次元で融合した国内唯一の心臓専用装置~
GEヘルスケアグループの日本法人であるGE横河メディカルシステム株式会社(本社:東京都日野市、社長:熊谷昭彦)は10月24日(金)、現状では国内唯一となる心臓検査専用SPECT(単光子放射断層撮影装置)「Ventri(ベントリ)」を、循環器病院や総合病院を主対象に発売します。
Ventriは核医学検査の中で4分の1以上の高い割合を占める心臓検査※専用のSPECTです。SPECTは、体内に投与された放射性医薬品から放出される単光子の微弱なガンマ線やX線を検出し、その分布を画像化する装置。国内では現在、心臓や頭部、甲状腺、肝脾臓、腎臓、腫瘍(全身)、そして骨(全身)など多岐にわたる部位を幅広く検査可能な汎用型のSPECTが主流ですが、Ventriは25%以上の検査需要を占める心臓検査に特化した国内唯一の装置として、高い機能性や操作性、患者負担の大幅な軽減、ならびに日本市場に合った小型化を実現しています。
※第6回全国核医学診療実態調査中間報告によると2007年度の核医学検査の割合は心筋が25.6%
Ventriは心臓専用の3次元画像再構成機能を搭載し、高精細な心臓の3次元画像の撮影時間を従来の半分に短縮しています。また同装置で収集されたデータは、GE製核医学装置ワークステーション「GEniE Xeleris(ジニー・エクセラリス)」で高度な画像解析が可能なほか、当社のワークステーションとCT(コンピューター断層撮影装置)を組み合わせることで、核医学画像と冠動脈CTの画像を融合した3次元イメージを容易に作成可能です。これは「CardIQ Fusion(カードアイキュー・フュージョン)」と呼ばれるアプリケーションで、CTの冠動脈造影画像から抽出した心筋の3次元画像上に、Ventriで得られた心筋血流情報などの機能情報を重ね合わせることで、3次元的に心臓の血流情報を視覚化できます(下図参照)。さらにCTで撮影した冠動脈も同時に観察できるので、核医学やCTの単独検査では難しい冠動脈の多肢病変における責任血管の同定にも高い有効性を誇ります。
CardIQ Fusionによる核医学と冠動脈CTの融合画像
画像は造影冠動脈CT画像から、左室心筋を抽出し3次元画像を作成、その表面に核医学から得られた血流値を貼り付けたもの。冠動脈も3次元化している。心筋の血流状態と冠動脈が3次元的に同時に観察可能。なお、左側のカラーバーは心筋の血流を表し、赤いほど血流が多い。
Ventriは患者の負担軽減にも大きく貢献します。心臓専用の3次元画像再構成機能を搭載することで、撮影時間の半減を実現したほか、検査時に腕を置くアームサポートや腹臥位検査用のフェース/アームサポート、ならびに腰の負担を軽減するレッグ・サポートなど心臓検査に有用な装備を揃え、患者の負担を減らしています。
また、汎用型のSPECTでは広範な検査に対応する必要があるため、装置の操作が煩雑で、結果として検査の長時間化につながっていましたが、Ventriでは心臓検査に特化することで、操作を簡素化したほか、頻度の高い検査手順の自動化や患者の位置決め機能の強化を図り、使い勝手を向上しました。またコリメータを手持ちにして迅速な交換を可能としたほか、コリメータキャビネットを小型化にして、検査に使用する心電図や点滴棒をテーブルサイドに設置可能にするなど、優れた操作性を実現しています。
Ventriは日本の市場に合った小型化も図っています。汎用型のSPECTを設置するには約30m2のスペースが必要なため、これまで設置場所が確保できずに導入を諦めていた医療機関もありました。Ventriは心臓検査に特化することで、1740 mm(縦) x 1150 mm(横) x 2630 mm(奥行)と当社製汎用型SPECTに比べて約7割の小型化に成功、設置スペースも従来の3分の1となる約10m2と、日本の市場ニーズにマッチした省スペース化を図っています。
しかしながら、体型や年齢に関係なく検査可能なほか、稀に見られる右心臓(内臓逆位)の検査にも対応するなど高い柔軟性を有しています。
国内の核医学診断装置の市場規模は年間40億円の規模を持ち、当社は約30%のシェアを有しています。当社は、今回発売するVentriを国内唯一の心臓専用装置として、循環器病院やこれまで設置スペースの問題で導入を諦めていた中規模医療機関での新規購入、ならびに汎用型のSPECTを複数台有している総合病院での買い替え需要の掘り起こしを狙います。当社は心臓専用装置のVentriと汎用型の「Infinia(インフィニア)」の2ブランドを有する強みを生かし、幅広い医療機関に対して核医学診断装置の全ラインアップの拡販を狙います。
製品名: Ventri(ベントリ)
希望小売価格: 1億1,800万円
初年度国内販売目標台数: 10台
医療機器認証番号: 220ACBZX00070000
「GEniE Xeleris(ジニー・エクセラリス)」
製品名: 核医学装置ワークステーション 「ジニー」
医療機器認証番号: 20700BZY00161000
GE横河メディカルシステム株式会社は、CT(全身用コンピューター断層撮影装置)、MR(磁気共鳴断層撮影装置)、超音波診断装置(US)、骨密度測定装置、X線撮影装置、核医学診断装置、PET(Positron Emission Tomography)とCTを組み合わせたPET-CT、患者モニタ、画像ネットワークシステムおよび麻酔器等の販売・サービスを提供する医療用画像診断装置の主力メーカー。米ゼネラル・エレクトリック(GE)のヘルスケア事業部門であるGEヘルスケア(売上高:170億ドル)の世界三極体制(北米・日本・インターナショナル)の一極を担っています。外資系画像診断装置メーカーとして唯一、国内にCT、MR、USおよびプローブの開発・製造拠点を持ち、最先端の技術や製品を日本から全世界に発信しています。現在、"Early Health"のビジョンを掲げ、発病前の兆候発見や個々人の遺伝性素因に合わせた予防医療のデザインなど、画像診断技術とバイオ科学の進化と融合を進めています。特に「悪性腫瘍」、「循環器系疾患」、「ウィメンズヘルスケア」の3分野を重点ケアエリアと位置づけ、複数の製品・技術の多面的なアプローチにより病気の早期発見・早期診断をサポートしています。設立は1982年、日本国内に事業所を53カ所展開。2008年7月1日現在の社員数は1,697名、2007会計年度(2007年1月~12月)の総売上は約1,291億円。
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