(財)島根難病研究所のプロジェクトに可搬型循環器用超音波装置を貸与
コンパクトなサイズと確定診断まで可能な高機能を両立したVivid i が診療に貢献
GEヘルスケアグループの日本法人であるGE横河メディカルシステム株式会社(本社:東京都日野市、社長:熊谷昭彦)は、本年8月8日(水)から15日(水)にかけて財団法人島根難病研究所 研究部門小児循環器班(班長:羽根田紀幸)が実施した「第8次モンゴルハートセービングプロジェクト」に参画、同プロジェクトに当社製可搬型 循環器用超音波診断装置※1「Vivid i (ヴィヴィッド・アイ)」を2台貸与し、モンゴル国の小児心疾患患者の診断・治療をサポートしました。
モンゴルハートセービングプロジェクト」は、(財)島根難病研究所 研究部門 小児循環器班がモンゴル国から要請を受け、2001年10月から実施している カテーテル治療※2を主体とした実践治療と、現地での講義、症例検討会などを通じた、モンゴルにおける小児循環器医療の発展、モンゴル国内における地方都市と首都圏との医療連携の確立を目的として、日本の先生方がモンゴルへの渡航診療を行うフルボランティアプロジェクトです。渡航費は日本の先生方が自費で参加されています。
モンゴルにおいても全出生児の1%は先天性心疾患が発生していますが、地方都市には小児循環器専門の医師がいないため、詳細な診断や治療にはウランバートルや海外へ行くケースが多いのが現状です。
このような中、同プロジェクトでは、首都圏との医療連携の確立を目的として国内の先天性心疾患児を1人でも多く救い、小児循環器医療の発展を目指しています。8回目を迎えた今回は、首都ウランバートルから660km離れた、人口1万人の町ムルンの医療施設にて、94人の小児検診を行い、その中で異常の疑いのある32名に 心エコー検査※3を実施しました。当社では、2006年8月に実施された「第7次モンゴルハートセービングプロジェクト」に続き、今年の第8次プロジェクトに参画。2回目となる今回は、当社製循環器用超音波診断装置ブランド「Vivid」シリーズ初のノートブックタイプ機種「Vivid i」を2台貸し出し、カテーテル治療前後の心エコー検査をサポートしました。持ち運び可能なコンパクトなサイズと、病気の確定診断まで可能な高い機能を併せ持つVivid i は、同プロジェクトのような、高機能な超音波診断装置での受診が難しい国・地域での渡航診療で特に高い有効性を誇ります。
「第8次モンゴルハートセービングプロジェクト」を統括した(財)島根難病研究所 研究部門小児循環器班の羽根田紀幸班長は、「現地では、国内と異なり外科のサポートが期待できないカテーテル環境も想定しなければならず、そのような厳しい環境下において、正確な診断が可能なVivid i は当プロジェクトにおいては、非常に有用であった」と、プロジェクトにおけるVivid iの有効性について高く評価されています。
※1 循環器用超音波診断装置は、通常の腹部中心の超音波診断装置とは違い、心臓の「動き」や「機能」を計測・解析することで心臓病などの循環器疾患の診断に適している。動きのある心臓を数値化するため、フレームレートを腹部用の2~3倍に設定、壁運動や心筋性状、弁構造などの機能解析に貢献する。
※2 カテーテル治療は、ステントやバルーンといった治療器具を血管に通す治療法。外科手術に比べて大きな傷や痛みが残らず、心的不安、入院日数、経費も大幅に軽減される。
※3 心エコー検査とは、体表面(胸部)から超音波をあて、そこからの反射を拾い、画像化したもの。心臓の形態・性状(大きさなど)や動き(心臓の収縮など)等の観察に加えて、心臓内の血流の状態、心臓の弁の異常・逆流や狭窄の有無など、多くの情報が得られる。
Vivid i は2005年9月の発売以来、大規模の大学病院心エコー検査室から小規模の循環器クリニックの循環器科(小児含む)・検査科(心エコー)・ICU(集中治療室)/NICU(新生児集中治療室)/CCU(冠疾患集中治療室)などから高く評価され、既に国内では発売後2年弱でおよそ200台が導入されています。サイズは358mm(幅)x 313mm(奥行き)x 59mm(高さ)、重さは約5kgと、据置型装置に比べて大幅な小型化と軽量を実現しながら、Vividシリーズの最上位の据置型機種「Vivid 7(ヴィヴィッド・セブン)」とほぼ同等の機能を搭載し、高性能と小型・軽量化を両立しています。そのため、これまで検査室で診断していた高度な超音波検査を、場所や時間を選ばずに検査室外や院外で手軽に行えます。さらに、無線ネットワークでの画像転送サービスも可能なため、医師は手術室からファイルを他の医師へ転送して指示を受けるなど様々な場面でより迅速で適切な診断・治療が可能となっています。将来的には、災害現場での活用なども期待されています。
ユビキタス循環器超音波診断装置「Vivid i」
モンゴルでの検診の様子は 添付をご覧下さい。(PDF版/255KB)
GE横河メディカルシステム株式会社は、CT(全身用コンピュータ断層撮影装置)、MR(磁気共鳴断層撮影装置)、超音波診断装置(US)、骨密度測定装置、X線撮影装置、核医学診断装置、PET(Positron Emission Tomography)とCTを組み合わせたPET-CT、患者モニタ、画像ネットワークシステムおよび麻酔器等の販売・サービスを提供する医療用画像診断装置の主力メーカー。米ゼネラル・エレクトリック(GE)のヘルスケア事業部門であるGEヘルスケア(売上高:170億ドル)の世界三極体制(北米・日本・インターナショナル)の一極を担う。外資系画像診断装置メーカーとして唯一、国内にCT、MR、USおよびプローブの開発・製造拠点を持ち、最先端の技術や製品を日本から全世界に発信している。現在、"Early Health"のビジョンを掲げ、発病前の兆候発見や個々人の遺伝性素因に合わせた予防医療のデザインなど、画像診断技術とバイオ科学の進化と融合を進めている。特に「悪性腫瘍」、「循環器系疾患」、「ウィメンズヘルスケア」の3分野を重点ケアエリアと位置づけ、複数の製品・技術の多面的なアプローチにより病気の早期発見・早期診断をサポートしている。設立は1982年、日本国内に事業所を53カ所展開。2007年4月1日現在の社員数は1,702名、 2006会計年度(2006年1月~12月)の総売上は約1,530億円。
日本GE コーポレート・コミュニケーション本部