※本文は、5月19日に米国で発表したリリースの全訳です。
【ノースカロライナ州ウィルミントン 2009年5月19日】
GE日立ニュークリア・エナジー(GEH)は、本日、同社の改良型沸騰水型原子炉(ABWR)技術がGEのエコマジネーション製品に認定されたと発表しました。
エコマジネーションは、差し迫った運用・環境課題に直面するお客様を支援する新技術を積極的に市場にもたらすための、GEの全社的な取り組みです。
今日、電力消費者と電力会社により、運転経費の削減や、発電時に排出される温室効果ガスの削減を含む環境課題を解決する新たなエネルギー・ソリューションが求められています。エコマジネーション認定は、GEHの原子炉技術がこうした需要を満たすことを裏付けるものです。
GEならびに第三者の厳格な審査を経て、第3世代のABWRが、80種類余りにおよぶGEエコマジネーション認定技術の仲間入りをしました。第3世代プラスに位置づけられる高経済性・単純化沸騰水型原子炉(ESBWR)もまた、2007年にエコマジネーション認定を受けています。
GEHは、世界のお客様にABWRとESBWRの双方を提供することで、温室効果ガス排出の少ない代替発電手段を使ってエネルギー需要の増加を満たそうとする電力会社の個々のニーズに応えています。原子力エネルギーは、発電過程で二酸化炭素をほとんど排出しない、数少ないベース供給電源です。
GEHのジャック・フラー社長兼最高経営責任者(CEO)は、「われわれの次世代原子炉は、電力会社に対して、経済・環境・安全面で欠かすことのできない、定量化可能な利点を提供します。勿論、旧世代型の原子炉に比べてプラントの性能も向上しています。温室効果ガス排出を削減できるエネルギーの選択肢が増えることを望む国が多い中、ABWRとESBWRの双方が原子力エネルギーの大きな利点を提供できることを喜ばしく思います」と述べています。
米国の代表的な発電所と比較すると、1基のABWRもしくはESBWRは、二酸化炭素排出量を年間670万トン削減することが可能です。これは自動車130万台の年間排出量に相当します。いずれの原子炉も、現在米国で稼動している第1世代、第2世代の原子炉と比べ、キロワット時当たりの運転費用と維持費用が、34%から40%低減されると見込まれています。これは主として発電容量の増大、ならびに利用率の向上、システムの簡素化によるものです。
GEHの1,350メガワット型ABWR技術は、米国の電力会社にとって、すぐに着工できる唯一の第3世代の原子炉であり、コスト計算を確実にできる利点があります。GEHのABWRは、世界で唯一商業運転を行っている第3世代の先進原子炉で、建設と運転における実績を誇ります。1996年以来4基が日本で運転を開始しており、そのほか4基が建設中です。GEHのグローバルな原子力アライアンスは建設実績を継続して蓄積しています。GEHは、経験豊かなグローバル・サプライ・チェーンを擁し、最新のモジュール工法採用による建設を計画しています。
GEHは1997年に米国の原子力規制委員会(NRC)からABWRの設計認証を取得し、米国内での建設許可を受けています。また最近、NRCにABWRの設計認証の更新をNRCに通知しました。この更新は、2012年以降もABWR事業を継続する意志を米国ならびに全世界のお客様に保証するものです。
GEHは第3世代プラスに位置づけられる1,520メガワットのESBWRを展開して、静的安全機能、一段とシンプルな設計、既存の安全な米国の原子炉よりもさらに高い安全性、といった利点を提供していく計画です。ESBWRは現在、NRCの設計認証取得に向けて審査を受けています。
世界では現在400基余りの原子炉が稼動しており、そのほとんどが旧式の第2世代設計であると考えられています。エネルギー需要の増大に対応すると共に、温室効果ガス排出削減に資するため、次世代原子炉の建設を計画するエネルギー会社が世界各国で増えています。例えば世界有数の経済成長率を誇るインドでは、エネルギー生産の増大が急務となっており、GEHは複数のABWR発電所を提案し同国の電力需要に対応していく考えです。
GE日立ニュークリア・エナジー(GEH)について
米国ノースカロライナ州ウィルミントンに拠点を置くGE日立ニュークリア・エナジーは、改良型原子炉や原子力燃料、および原子炉関連のサービスを提供する世界有数のプロバイダーです。GEHは2007年6月に、GEと日立の原子力分野の事業提携により設立されました。原子力分野における新たな提携関係の締結により、GEと日立は統一された戦略的なビジョンを掲げ、より広範なソリューションポートフォリオを提供するとともに、原子炉の新設や原子力関連サービスを提供する機会を拡大します。この提携関係は、世界中のお客さまに原子炉の稼働率、出力、および安全性の向上を実現するために必要な技術的リーダーシップを提供します。
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