【ノースカロライナ州ウィルミントン 2009年4月14日】
GE日立ニュークリア・エナジー(GEH)は、本日、新規原子力発電所向けの原子炉圧力容器(RPV)の主要サプライヤーとしてエクイポス・ヌクリアーレ株式会社(ENSA)社を指名する戦略的な契約について発表しました。
GEHは、ENSA社との合意によってサプライチェーンを一段と強化し、顧客のRPVに対する需要に見合う生産能力を確保します。
ENSA社は、原子炉の原子力蒸気供給システムなど、原子力発電所や工業施設向けの大型装備品の専門メーカーで、スペイン北部沿岸にあるカンタブリア州マリアーニョに最新の工場設備を保有しています。
GEHと ENSA社は、両社の強みを活かした新たな合意の下で、将来受注が見込める改良型沸騰水型原子炉(ABWR)や革新型単純化沸騰水型原子炉(ESBWR)の発電所建設におけるRPV製造に関して、提携します。原子力発電所内に設置されたRPVは、原子炉の炉心と冷却材を安全に格納します。
GEHは、エネルギーの供給増と気候変動に対する取り組みへの世界ニーズを満たすため、ABWR)とESBWRの2種類の原子炉を提供しています。原子力エネルギーは、発電過程で温室効果ガスを排出しないベースロード電源(常時一定の電力供給を可能にし、優先して運転される電源)です。
GEHのダニー・ロデリック上級副社長(新規原子力発電所建設担当)は、「ENSA社がGEHの主要サプライヤーになったことを歓迎しています。この戦略的提携により、ENSA社はGEHのサプライチェーンに加わり、近い将来に予想される需要に対応できることになります」と述べています。
ENSA社は、本年2月、ESBWRのRPVに用いられる6個の鍛鋼部品のうち、最初の部品を、日本製鋼所から受領しており、2012年中ごろに完成する予定です。
ESBWRのRPVの製造作業が開始されたことは、米原子力規制委員会(NRC)による設計認証審査を受けているGeneration Ⅲ+型の原子炉であるESBWRの配備に向けた大きな一歩です。
ENSA社のフランシスコ・バレステロス社長兼CEOは、「当社は、高品質の機器を業界に供給することに、全力を尽くしています。GEHとの合意は、品質とスケジュール順守の両面において、世界のリーダーである当社の地位を強固なものにします。これは、世界的な原子力ルネサンスを成功させるために非常に重要な要素です」と述べています。
ENSA社は、GEH、NRC、電力会社の要求を満たす最新の品質管理技術を採用しており、1978年には米機械学会(ASME)の認証メーカーに指定されました。
ENSA社は、ロボット工程や自動化工程を含め、緻密な製造工程を開発し、高品質機器の納入を続けてきました。また、GEHの2種類のRPVを製造するのに必要となる施設と設備の定義をすでに行っており、クレーンの能力を900トンから1,300トンに、X線検査能力を800万電子ボルトから900万電子ボルトに増強するなど、関連システムと機器の拡充を図り、施設の近代化を進めています。
GEHは、昨年12月、ESBWRの展開に加え、ABWRの設計認証の更新を希望することをNRCに通知しました。更新期間は2012年からの15年間となります。ABWRは、建設および運転実績のある、世界初ならびに唯一のGeneration Ⅲ型の先進原子炉設計です。ABWRの設計認証の更新は、GEHが今後も引き続き米国ならびに全世界の顧客に対してABWR技術のサポートを続けていくことを保証するものです。
GE日立ニュークリア・エナジー(GEH)について
米国ノースカロライナ州ウィルミントンに拠点を置くGE日立ニュークリア・エナジーは、改良型原子炉や原子力燃料、および原子炉関連のサービスを提供する世界有数のプロバイダーです。GEHは2007年6月に、GEと日立の原子力分野の事業提携により設立されました。原子力分野における新たな提携関係の締結により、GEと日立は統一された戦略的なビジョンを掲げ、より広範なソリューションポートフォリオを提供するとともに、原子炉の新設や原子力関連サービスを提供する機会を拡大します。この提携関係は、世界中のお客さまに原子炉の稼働率、出力、および安全性の向上を実現するために必要な技術的リーダーシップを提供します。
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