心臓撮影機能を強化した最上位機種と連携機能を高めた画像解析システムを発売
ITEMにあわせて全3ブランドで新製品を投入、多彩な医療機関のニーズにきめ細かに対応
最大限の臨床価値をもたらし、患者の負担を最小限に抑える技術開発を進め「人にやさしい、社会にやさしい」医療の実現を加速
GEヘルスケアグループ(以下「GEヘルスケア」)の世界中核拠点の1つであるGEヘルスケア・ジャパン株式会社(本社:東京都日野市、代表取締役社長:川上潤)は4月13日(金)、動きのある心臓の撮影精度を高めたコンピューター断層撮影装置(CT)「Discovery CT750 HD FREEdom Edition(ディスカバリー・シーティー750・エイチディー・フリーダムエディション)」、ならびにPACS(医用画像管理システム)*1 や画像診断装置との連携機能「Dexus(デクサス)」をコンセプトとした画像解析用ワークステーションAdvantage Workstation VolumeShare5 PlusおよびAW Serverを発売します。
Discovery CT750 HD FREEdom Editionは、2008年10月に発売したGEヘルスケア製CT最上位機種Discovery CT750 HDに当社最新の心臓撮影機能を搭載した64列CT、Dexusは画像解析専用ワークステーションAW ServerにGEヘルスケア製の医療用ITシステム「Centricity(セントリシティ)」シリーズや画像診断装置との連携機能を持たせた新システムです(製品の詳細は次ページ以降に記載)。
当社は今回、これらの2機種に加えて、国内の医療機関のニーズにあわせて開発・製造した世界仕様モデルのCT 2機種「Optima CT660 FD(オプティマ・シーティー・ロクロクマル・エフディー」シリーズ・「Brivo CT385(ブリボー・シーティー・サンハチゴ)」(ともに2012年4月13日発売)と、最上位の「Discovery」から臨床的有用性を追求した「Optima」「Brivo」まで全3ブランドで新機種を一斉に市場投入することで、最先端の研究機関や大学病院などの大規模施設から地域基幹病院、中小規模病院や診療所まで、幅広い医療機関のニーズによりきめ細かに応える体制を確立します。
これらの4製品はすべて、4月13日(金)~15日(金)にパシフィコ横浜で開催される2012国際医用画像総合展(ITEM in JRC 2012)の当社ブース内で実機や撮影画像を展示して詳しく披露します。
Discovery CT750 HD FREEdom Edition
Discovery CT750 HD FREEdom Editionは、2008年10月に発売したGEヘルスケア製CT最上位機種Discovery CT750 HDに、動きの影響(モーションアーチファクト)の抑制と冠動脈に付着する高度石灰化の分離といった心臓撮影用の機能を搭載し、動きのある心臓の撮影精度向上を図った64列CT。
Discovery CT750 HDはガーネットを使用した新型Gemstone検出器の搭載や新画像再構成技術ASiR(エイサー)の採用などで画質の向上と低被ばくを高度な次元で融合した点が、発売以来、大学病院をはじめとする研究施設を中心に高く評価されています。Discovery CT750 HD FREEdom Editionはこれらの優れた機能性に、「Motion FREEdom, Calcium FREEdom, Horizon FREE」をコンセプトに新開発した心臓撮像機能を追加し、動いている心臓をより高精度に撮影したいという心臓CTに対するニーズに的確に応える装置です。
Discovery CT750 HD FREEdom Editionの主要機能:
1. 動きの影響(モーションアーチファクト)を抑制する「SnapShot Freeze」
拍動する心臓の動画像から動きを取り除いた静止画像を生成するSnapShot Freeze(スナップショット・フリーズ)機能を搭載。冠動脈画像から血管の動きやブレなどを認識し、モーションアーチファクトに影響されていた血管を本来あるべき姿に戻します。このデジタルカメラの手ぶれ補正に近い手法で、動きの抑制された高精度の心臓撮影が可能となります。
2. 冠動脈に付着する石灰化個所を分離し、より高精細な心筋の画像化を可能にする「GSI」
X線が透過物質の質量によって吸収強度を変化させる性質を利用し、2つの異なるX線エネルギーを使用して重ね合わせるGSI(ジェムストーン・スペクトラル・イメージング)機能を、当社心臓撮影用CTに初めて搭載。物質が個別に有するエネルギーの透過性の違いを利用し、画像のコントラストをエネルギー値で変更、冠動脈の画像から石灰化した個所の分離が可能となります。石灰化個所の分離に伴いアーチファクトが少なくなるため、より高精細な心筋の画像化を実現します。この結果、冠動脈をプラークが閉塞している状態などが一段とクリアに画像化され、心筋の血流状況なども把握できるようになるため、心臓検査の精度向上に貢献すると期待されています。
当社は、現在の心臓CTが抱える課題克服を目指したDiscovery CT750 HD FREEdom Editionを、心臓領域の診断・治療に取り組む大学病院や地域基幹病院を主対象に積極的に販売することで、心臓CT分野におけるリーディングカンパニーとなることを狙います。また、Discovery CT750 HD FREEdom Editionの発売で、急速に普及しつつある心臓CT検査全体の信頼性を一段と高め、心臓疾患の除外診断*2 への貢献、ならびに不要な検査の削減による患者の負担軽減に寄与することを目指します。
Dexus
Dexusは、画像解析専用ワークステーション「AdvantageWorkstation(AW)」の最新版「Advantage Workstation VolumeShare5 Plus(アドバンテージ・ワークステーション・ボリュームシェア・ファイブ・プラス)」、ならびに同製品を搭載したネットワーク型ワークステーション「AW Server(エーダブリュー・サーバー)」を用いて、手軽に高度な画像処理を可能にする新ソリューション。画像診断装置の進化とともに、臨床現場における3D画像の役割も大きく変化し、現在では患者説明用だけではなく、治療方針の決定、術前シュミレーションからスクリーニング、フォローアップまで多くの分野で活用されています。3D画像の果たす役割が飛躍的に高まるなか、一段と簡便で効率的な処理を実現し、診断効率や診断精度の向上、治療サポートへの貢献を目指して開発されたのがDexusです。
Dexusの最大の特長は、GEヘルスケア製医療用ITシステム「Centricity」シリーズや画像診断装置との連携機能を強化したこと。AW Serverを介すことでクライアント端末だけでなく、PACSや診断装置の操作卓など院内の多様なシステム上で、多彩なGE製AWの最新アプリケーションを使用できます。
期待される有用性:
1. PACSや診断装置との連携強化で診断の効率・精度の向上、医師・技師双方の負担軽減に寄与
Dexusの導入で、GEヘルスケア製PACS「Centricity PACS(セントリシティ・パックス)」、読影用画像ワークステーション「Centricity RA1000(セントリシティ・アールエー1000)」、ならびにCT「Optima CT660 FD」シリーズ上でAW Serverの機能を使用できるようになります。この連携で、医師が撮影画像を閲覧中に解析の必要性があれば、いつでも自分で3D画像の構築などの画像処理を手がけることが可能です。これまで放射線技師が主に使用していたワークステーションを医師も手軽に扱えるようになることで、診断の効率・精度につながるほか、医師から技師への問い合わせが減り、医師・技師双方の負担軽減につながります。
2. 遠隔読影サポートし、医療施設間の連携を強化、医師・技師の不足や地域格差の解消に貢献
Dexusの活用で、自施設のみならず、他の医療機関で撮影した画像に対しても、3D加工などの画像処理を手軽に施せるようになるため、遠隔読影の効率・精度の向上につながると期待されています。これにより遠隔読影の普及が進むと、医療施設間の連携がさらに高まり、医師や放射線技師の不足や地域格差の解消につながると見込まれています。
当社は大・中規模病院を主対象に、医療機関の運用ニーズにあわせてスタンドアローンタイプ、ネットワークタイプ、遠隔読影など多彩なパターンでこのDexusを提供することで、診断の質や効率、ならびに治療サポートに今まで以上に貢献することを目指します。
当社は1998年に世界初*3 のマルチスライスCT「LightSpeed QX/i」を発売して以来、2008年にCT初のガーネット型検出器を搭載し、断層像一枚ごとの画質の向上と低被ばくを両立した「Discovery CT750 HD」、2010年に国内顧客の声をもとに日本で開発・製造した小型省エネCT「Optima CT660」シリーズを発売するなど、先進的な研究開発を国内外で積極的に進め、いち早く臨床現場に提供してきました。
当社が昨今、特に力を入れているのが、最大限の臨床価値をもたらすと同時に患者の負担を最小限に抑える技術・製品の開発で、この実現に向けて現在、次の4つの分野に重点をおいて取り組んでいます。
1. 心臓・肝臓や高齢者など特定の疾患領域・患者層に高い臨床的有用性が期待される技術の開発
2. 外資系画像診断装置メーカーとして唯一、国内に開発・製造拠点を持つ優位性を生かし、国内の顧客の声を反映した製品を日本で開発し、国内市場のみならず、全世界に向けて展開する「In Japan For Global(日本発、世界へ)」戦略の推進
3. 昨年4月に発売した、一般X線撮影並みの低被ばくを実現した画像再構成技術「Veo」のような超低被ばく技術の開発
4. 医師と技師、医師と患者など人と人との連携、ならびに医療施設内・間の連携の強化につながるようなネットワーク化の推進
当社は今後も、画質の向上や検査効率のアップなど臨床現場を強力に支援する技術や、被ばく低減など患者負担の軽減や患者の快適性につながる機能の開発に全社を挙げて取り組み、「人にやさしい、社会にやさしい」医療の実現を目指します。
*1: PACSはPicture Archiving and Communication Systemの略で、CTやMRIなどの診断装置で撮影したデジタルの画像データを、保管、閲覧、管理するシステム。従来の撮影時に使用されていたフィルムの現像や運搬、ならびに保管が不要となるため、画像診断が迅速化され、患者の検査後の待ち時間が短縮されるほか、フィルム保管などにかかるコストが削減可能となる
*2: 除外診断とは、診断のつけにくい病気について、他の病気でないことを診断(除外)することで、最終的にその病気であることを診断すること
*3: 出典:1998年9月16日付「Diagnostic Imaging」
新発売製品(発売日は4月13日)
製品名 | 薬事販売名 | 希望小売価格 | 初年度国内販売目標 | 医療機器認証番号 |
Discovery CT750 HD | マルチスライスCTスキャナ LightSpeed 類型Discovery CT750 HD | 39億6,000万円 (税込み) | 30台 | 21100BZY00104000 |
Advantage Workstation VolumeShare5 Plus | アドバンテージワークステーション | 5,500万円(税込み) | 200台 | 20600BZY00483000 |
AW Server | AW サーバー | 8,000万円(税込み) | 22200BZX00295000 |
その他、本資料に記載された装置の製品名/薬事販売名/医療機器認証番号は以下の通り
製品名 | 薬事販売名 | 医療機器認証/承認番号 |
Discovery CT750 HD | マルチスライスCTスキャナLightSpeed 類型Discovery CT750 HD | 21100BZY00104000 |
AW Server | AWサーバー | 22200BZX00295000 |
Optima CT660 Pro FD Optima CT660 FD | 全身用X線CT診断装置Optima CT660 類型:Optima CT660ProJ / Optima CT660Pro / Optima CT660J / Optima CT660 | 222ACBZX00021000 |
Brivo CT385 | 全身用X線CT診断装置 Brivo CT385 | 224ACBZX00008000 |
Advantage Workstation VolumeShare5 Plus | アドバンテージワークステーション | 20600BZY483000 |
Centricity RA1000 | アドバンテージワークステーション医療機器認証番号 20600BZY00483000号の類型 | 20600BZY00483000 |
LightSpeed QX/i | マルチスライスCTスキャナ LightSpeed 類型 QX/i | 現在は販売しておりません |
Optima CT660 Pro Optima CT660 | 全身用X線CT診断装置Optima CT660 類型:Optima CT660ProJ / Optima CT660Pro / Optima CT660J / Optima CT660 | 222ACBZX00021000 |
Veo | マルチスライスCTスキャナLightSpeed 類型Discovery CT750 HD オプション構成品画像再構成サーバー(Veo) | 21100BZY00104000 |
GEヘルスケア・ジャパン株式会社は、ゼネラル・エレクトリック(GE)のヘルスケア事業部門であるGEヘルスケアの中核拠点の1つとして、先端的な医療技術ならびに医療・研究機関向けの各種サービスを提供しています。医療用画像診断からライフサイエンス(生命科学)まで幅広い分野にわたる専門性を駆使しながら、GEの世界戦略「ヘルシーマジネーション」で掲げる「医療コストの削減」「医療アクセスの拡大」「医療の質の向上」の実現に向けて、国内外の医療・研究施設を中心に革新的な製品やサービスをお届けしています。主要取扱製品は、CT(コンピューター断層撮影装置)、MRI(磁気共鳴断層撮影装置)、超音波診断装置、医療用画像ネットワーク、メディカル・ダイアグノスティクス(体内診断薬)、生体情報モニタ、液体クロマトグラフィー装置、細胞解析装置。2012年1月1日現在の社員数は2,050名、国内の事業所数は55カ所。
ホームページアドレスは www.gehealthcare.co.jp (ライフサイエンス統括本部: www.gelifesciences.co.jp )。
GEヘルスケア・ジャパン株式会社 広報 松井亜起