~ SPECT・CT・SPECT/CTの3製品、高画質・高効率を目指し先端的な創薬研究を支援 ~
― SPECTには半導体検出器をシリーズ初搭載、CTは小動物の心臓の動きも鮮明に描出 ―
GEヘルスケアグループの日本法人であるGEヘルスケア・ジャパン株式会社(本社:東京都日野市、社長:熊谷昭彦)は9月7日(火)、次世代の実験用小動物専用の画像診断装置3機種を国内の創薬研究施設を主な対象として発売します。
今回市場投入するのは、SPECT(単光子放射断層撮影装置)「eXplore speCZT(エクスプローラー・スペクCZT)」、CT(コンピューター断層撮影装置)「eXplore CT120(エクスプローラー・CT120)」、ならびにSPECTとCTを組み合わせた「eXplore speCZT CT120(エクスプローラー・スペクCZT・CT120)」の3モデルです。
当社では、2009年8月に事業統合したGEヘルスケア バイオサイエンスを前身とするライフサイエンス事業部において、創薬研究を含む分子イメージングに画像解析装置や試薬などハード・ソフト両面において携わっています。創薬の研究開発では、薬の候補物質や医療機器の安全性・有効性を検証する前臨床(プレクリニカル)段階において、マウスやラットなど数多くの小動物の使用が不可欠であり、その迅速化には同段階における研究効率のアップが必須となっています。そこで当社では、研究で使用されるSPECTやCTにそれぞれ新開発の検出器やX線管球を採用し、エネルギーの測定精度や画質の向上を実現、前臨床段階の研究効率を向上することで、創薬研究開発のスピードアップに貢献します。
新製品の主な特長は次の通りです。
eXplore speCZTは、当社製実験用小動物用SPECT「explore」シリーズとして初めて、照射した放射線を受ける検出器にテルル化カドミウム亜鉛(CZT)を使用した半導体検出器を搭載し、従来のヨウ化ナトリウム(NaI)の結晶を利用した検出器に比べて、約2倍の高エネルギー分解能*1を実現。これにより、1度の撮影でより多くの情報を取得できるマルチトレーサースキャン*2が可能となり、研究効率の向上に貢献します。
その他の特長は以下の通りです。
- ロータリースリットタイプ・ピンホールタイプなど4種類のコリメーター(視準器)を用意
- Dynamic収集など豊富なアプリケーションを搭載
eXplore CT120は、最大電圧120kV、最大電流50mAを誇る高出力のX線管球を採用し、8msの時間分解能*3を達成した実験用小動物専用CT。従来機に比べて電流値を2ケタ以上高めたことで、画期的な小動物用CTとして、マウスの小さな心臓の早い動き(600心拍/分程度)にも対応可能となりました。心電図と同期させることで、心臓の最大拡張期や収縮期などを静止画像として鮮明に撮影可能なほか、呼吸同期を行うことで、マウスの動きによるアーチファクト(ボケ)が少ないクリアな画像を描出できます。
その他の特長は以下の通りです。
- 最大85mmの検体に対応
- 多彩なアウトプット形式:VFF、DICOM 3.0、JPEG、BMP、PNG、VTK
- 画像化解析および各種処理は、以前より定評があるMicro ViewTMにより提供
eXplore speCZT CT120は、eXplore speCZTおよびeXplore CT120を組み合わせた実験用小動物専用装置。一回の検査で、eXplore speCZTによる「機能画像」とeXplore CT120による「形態画像」の撮影と重ね合わせ処理が可能なため、撮影部位のより正確な診断と位置特定が可能となります。
創薬の研究効率を向上し、その開発スピードアップに貢献することなどから、実験用小動物専用の画像診断装置市場は過去数年、右肩上がりの成長を続けており、当社も近年、高機能装置を主軸に製品展開を強めています。当社は今回発売する3機種を国内の研究施設における新規需要、ならびに買い替えや買い増しを主対象に販売するほか、これらの製品投入をフックに試薬などのソフト面での拡販も図り、創薬支援事業全体のさらなる成長を目指します。
GEでは、世界が直面する深刻な医療問題の真の解決を目指して、2009年5月にヘルスケアに関する戦略「ヘルシーマジネーション(healthymagination)」を策定しました。この戦略では、2015年までに60億ドルを投じて、地域に適した技術開発、ヘルスケアITの加速、格差のない医療の提供、在宅医療の推進の4分野で、100種類のイノベーションを実施し、15%の医療コストの削減、15%の医療アクセスの拡大、ならびに15%の医療の質向上を実現することを目指しています。ヘルシーマジネーションの詳細は http://www.ge.com/jp/company/healthymagination/index.html をご参照ください。
*1 エネルギー分解能は、放射線のエネルギー測定の精度を表す指標。高いほうがより高精度のエネルギー測定が可能
*2 マルチトレーサースキャンとは、エネルギーの違う核種で標識した異なる放射性薬剤を投与し、それぞれの生体内分布を1度のスキャンで区別して画像化する手法
*3 時間分解能は、どれだけ短時間でスキャンが可能かという性能を表現する能力
新発売3製品一覧(発売日はすべて2010年9月7日)
製品名 | 希望小売価格 | 初年度国内販売目標 |
eXplore speCZT CT120 | 1億3,000万円(構成により異なる) | 5台 |
eXplore speCZT | 7,000万円(構成により異なる) | |
eXplore CT120 | 6,000万円(構成により異なる) |
GEヘルスケア・ジャパン株式会社は、CT(コンピューター断層撮影装置)やMR(磁気共鳴断層撮影装置)などの医療用画像診断装置やヘルスケアITをはじめ、メディカル・ダイアグノスティクス(体内診断薬)や生体情報モニターから、創薬、バイオ医薬品、ならびに医療機関の経営支援に至るまで、幅広い分野にわたる専門性を生かし、次世代の患者ケアをデザインする先端的な医療技術ならびに医療サービスを提供しています。米ゼネラル・エレクトリック(GE)のヘルスケア事業部門であるGEヘルスケアの日本での中核拠点として、現在GEが全世界で推進している「ヘルシーマジネーション」戦略にもとづき、医療コストの削減、医療アクセスの拡大、ならびに医療の質の向上を実現する革新的な製品やサービスの開発を継続しています。GE横河メディカルシステムとGEヘルスケア バイオサイエンスが2009年8月1日付で事業統合し、「GEヘルスケア・ジャパン株式会社」としてビジネスを開始。2010年1月1日現在の社員数は1,890名、国内で展開する事業所数は53カ所、2009会計年度(2009年1月~12月)の総売上は約1,190億円。ホームページアドレスは www.gehealthcare.co.jp 。
GEヘルスケア・ジャパン株式会社 広報 松井亜起