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Press Release

Geヘルスケア・ジャパン、国内初の最新マンモグラフィ検査技術の提供を開始

February 03, 2011

~ 若年女性に多い乳腺密度の高い乳房でも鮮明に描出 ~
― 国内の乳がん検診・治療に新たな道を拓き、女性のQOLを飛躍的に向上 ―

GEヘルスケアグループ(以下「GEヘルスケア」)の世界中核拠点の1つであるGEヘルスケア・ジャパン株式会社(本社:東京都日野市、代表取締役社長:熊谷昭彦)は本日2月3日(木)、乳房内の血管を鮮明に描出するデジタルマンモグラフィ(乳房X線撮影装置)用の新撮影技術「SenoBright(セノブライト)」を、国内の医療機関向けに提供開始します。

SenoBrightは、造影剤(ヨード造影剤)と2つの異なるエネルギー値での撮影技術を駆使して、新生血管など乳房内の血管を鮮明に描出するGEの独自技術。これまでのマンモグラフィ検査の課題となっていた日本人などアジア圏に多いと言われる乳腺密度の高い乳房や左右の乳房で非対称な部位を、濃染で鮮明に描出可能なため、乳がんの存在診断や広がり診断などへの有用性、早期発見・早期治療への貢献など乳がん患者のQOLを大きく向上すると期待されています(4ページの画像参照)。

SenoBrightによる乳がん画像診断の優位性として期待される点は次の2つです。
1. 乳がん検出率の向上
マンモグラフィ検査では乳房内の乳腺密度が高くなるにつれて感度が低下します*1が、SenoBrightでは注入した造影剤の濃染情報を取得できるため、従来のマンモグラフィ検査の課題となっていた日本人などアジア圏に多いと言われる乳腺密度の高い乳房や、左右の乳房で非対称な病変部の存在診断に有用性が期待され、乳がん検出率の向上に寄与すると見込まれています。

2. 検診から精密検査に至る乳がん診療全体の効率性の改善
マンモグラフィ検査などで乳がんの疑いがあると診断された患者は、詳細な精密検査に移ります。精密検査は、まずMRI(磁気共鳴断層撮影装置)や超音波診断装置などの画像診断装置による診断、続いてバイオプシ(生検)*2などの病理検査へと進みますが、これらの診断装置の導入施設数の少なさや予約の空き状況による検査待ちの発生などが原因で、スムーズに次の検査に移行できない場合もあるのが現状です。マンモグラフィに搭載するSenoBrgihtを利用することで、検査の利便性が向上するほか、マンモグラフィ検診と同じ検査室、同じスタッフで精密検査が可能なため、患者の安心感も高まります。さらに、マンモグラフィと似た画像形態で濃染部位の情報を提供できるため、より明確な画像判定基準の策定に貢献すると期待されています。

SenoBrightの臨床的有用性については、昭和大学 医学部 外科学講座 乳腺外科部門 教授/昭和大学病院ブレストセンター長の中村清吾先生が「ハイリスク、特に若年性の乳がん検診に有力な手段と思われる」、三河乳がんクリニック院長の水谷三浩先生も「(SenoBrightは)特別な方法を必要とせずに、簡便かつ安全で、再現性のある検査である。今後の症例の蓄積が期待されるとともに、乳腺密度が高いといわれるアジア女性の乳房疾患への福音となりえる」と述べるなど、大きな期待が寄せられています。

SenoBrightでは撮影前にヨード造影剤を静脈注入した後、低電圧と高電圧の2回に分けて、通常の撮影ポジションにて左右両方の乳房をそれぞれ2方向から撮影します。電圧の異なる2枚の撮影画像では造影剤が集積した部位の明暗が異なるため、撮影画像を重ね合わせることで病変部がより鮮明に映し出されます。撮影時間は約5分と通常検査と変わりなく、被ばく線量も最大で通常撮影の2割増とマンモグラフィ撮影の国際的なガイドライン*3を下回っています。

SenoBrightはGEヘルスケア製デジタルマンモグラフィ「Senographe (セノグラフ) 」シリーズの中で、2004年に発売した日本初のバイオプシ機能を備えた「Senographe DS (セノグラフ・ディーエス) 」*4、2008年に発売した乳がん検診専用装置「Senographe DS Depister(セノグラフ・ディーエス・デピスティ)」*4とバイオプシのためのステレオ撮影機能*5を備えた「Senographe DS LaVerite (セノグラフ・ディーエス・ラベリテ) 」*4、ならびに両装置の上位機種として2010年4月に発売した「Senographe Essential (セノグラフ・エッセンシャル) 」*4の4機種にオプション搭載が可能です。この4機種は乳がん検診専門クリニックから大学病院や地域・機関病院などの大規模病院まで幅広い医療機関で稼働しており、現在の国内納入実績は合計で156台と国内のデジタルマンモグラフィ全体の約3割を占めます。

SenoBrightは2010年5月の欧州発売を皮切りに既に約70カ国で発売されており、世界各国の顧客医療機関から高い評価を獲得しています。
また、SenoBrightの国内発売に先行して、造影剤を使用したマンモグラフィ検査の有効性や安全性の確立、さらなる臨床応用の可能性の追求、ならびに造影マンモグラフィの普及などを目的に、水谷三浩先生が代表理事、中村清吾先生が理事を務める「造影マンモグラフィ研究会」が昨年12月に発足、新たな乳がんの診断システム構築による乳がんの診断学の体系化、ならびに乳がん患者の予後向上への貢献を目指して取り組みを開始しています。

当社は、フルデジタルマンモグラフィ「Senographe」シリーズとして、2000年に世界で初めて*6フラットパネル型デジタルディテクタ(FPD)を搭載した「Senographe 2000D(セノグラフ2000D)」*4、2004年に日本初のバイオプシ機能を備えたハイエンド機種「Senographe DS」*4を発売。その後2008年にSenographe DSの新シリーズとして「Senographe DS Depister」*4と「Senographe DS LaVerite」*4、2010年4月に「Senographe Essential-e」*4と「Senographe Essential」*4を発売するなど、常に先端の技術で国内のデジタルマンモグラフィ市場をリードしてきました。現在国内で稼働するSenographeシリーズは300台以上(そのうち車載搭載装置は28台)、当社のデジタルマンモグラフィの市場シェアは5割以上と業界トップを誇っています。
当社は、今回発売するSenoBrightを既に対象装置を導入している医療機関に積極的に販売するほか、同技術の臨床的価値を、大学病院や地域基幹病院、ならびに乳腺専門外科を主対象に訴求することで新規顧客開拓を進め、デジタルマンモグラフィ市場におけるトップの地位のさらなる強化を狙います。

乳がんは日本人女性の中で罹患数トップのがんであり、2005年の罹患率は人口10万人あたり77.5例なっています。乳がんは早期に発見し治療すれば5年生存率はほぼ100%となりますが、欧米でのトレンドに反して過去数年、日本では乳がんで亡くなる女性の数は増加しており、2009年では1万1,000人以上の女性が乳がんで命を落としています*7

GEでは、世界が直面する深刻な医療問題の真の解決を目指して、2009年5月にヘルスケアに関する戦略「ヘルシーマジネーション(healthymagination)」を策定しました。この戦略では、2015年までに60億ドルを投じて、地域に適した技術開発、ヘルスケアITの加速、格差のない医療の提供、在宅医療の推進の4分野で、100種類のイノベーションを実施し、15%の医療コストの削減、15%の医療アクセスの拡大、ならびに15%の医療の質向上を実現することを目指しています。ヘルシーマジネーションの詳細は http://www.ge.com/jp/company/healthymagination/index.html をご参照ください。

*1 出典:Kolb et al. Radiology 2002; 225:165-175.
*2 バイオプシ(生検)とは、診断で疑わしい病変部が見つかった際にその細胞や組織を採取して行う精密検査のこと
*3 米国放射線専門医会(American College of Radiology):"3 mGy以下であることが望ましい
*4 「Senographe 2000D」の薬事販売名は「セノグラフ2000D」
「Senographe DS Depister」「Senographe DS LaVerite」「Senographe DS」の薬事販売名は「セノグラフ2000DSシリーズ」の類型「2000DS-S」
「Senographe Essential」の薬事販売名は「セノグラフ2000DSシリーズ」の類型「2000DS-S Essential」
「Senographe Essential-e」の薬事販売名は「セノグラフ2000DSシリーズ」の類型「2000DS-M Essential」
*5 ステレオ撮影とは、マンモグラフィを用いてバイオプシを行うための撮影法。乳房を角度を変えて2方向から撮影し、穿刺するための正確な病変位置を割り出す
*6 出典:株式会社オーム社「デジタルマンモグラフィ」(2004年)
*7 出典:国立がん研究センターがん対策情報センター「最新がん統計」(2010年11月30日更新)

製品名: SenoBright
薬事認証名称: 「セノグラフ2000DSシリーズ」のオプション「SenoBright」
希望小売価格: 3,000万円(税込み)
発売日: 2011年2月3日
初年度国内販売目標: 20台
医療機器認証番号: 21600BZY00218000

GEヘルスケア・ジャパン株式会社は、CT(コンピューター断層撮影装置)やMR(磁気共鳴断層撮影装置)、超音波診断装置などの医療用画像診断装置やヘルスケアITをはじめ、メディカル・ダイアグノスティクス(体内診断薬)や生体情報モニターから、創薬、バイオ医薬品、ならびに医療機関の経営支援に至るまで、幅広い分野にわたる専門性を生かし、次世代の患者ケアをデザインする先端的な医療技術ならびに医療サービスを提供しています。米ゼネラル・エレクトリック(GE)のヘルスケア事業部門であるGEヘルスケアの日本での中核拠点として、現在GEが全世界で推進している「ヘルシーマジネーション」戦略にもとづき、医療コストの削減、医療アクセスの拡大、ならびに医療の質の向上を実現する革新的な製品やサービスの開発を継続しています。GE横河メディカルシステムとGEヘルスケア バイオサイエンスが2009年8月1日付で事業統合し、「GEヘルスケア・ジャパン株式会社」としてビジネスを開始。2011年1月1日現在の社員数は2,014名、国内で展開する事業所数は55カ所、2009会計年度(2009年1月~12月)の総売上は約1,190億円。ホームページアドレスは www.gehealthcare.co.jp

GEヘルスケア・ジャパン株式会社 広報 松井亜起


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