~ 津山中央病院(岡山県)木原翔先生が最優秀賞を受賞 ~
- 当社製MRIの最先端撮像技術の共有を通じて、日本のMRI診断の進歩を図る -
GEヘルスケアグループ(以下「GEヘルスケア」)の世界中核拠点の1つであるGEヘルスケア・ジャパン株式会社(本社:東京都日野市、社長:川上潤)は12月3日(土)、GEヘルスケア製MRI(磁気共鳴断層撮影装置)のユーザーである放射線科技師・臨床検査技師が、その撮像テクニックを競う「Signa甲子園2011」(MR Signaユーザーズミーティング・全国大会)を下記の通り、TKP大阪梅田ビジネスセンター(大阪府大阪市)にて開催しました。
MRIの画像は操作を担当する技師のテクニックに依存する面が大きく、当社では撮像技術などの情報交換や交流を目的にGE MR Signaシリーズのユーザーが集う「Signaユーザーズミーティング」を全国各地で開催しています。さらに、各地のユーザーズミーティングがさらなる交流を図り、多くの放射線技師に当社製MRIの最先端の撮像技術を身につけてもらうために、ユーザーズミーティングの全国大会である「Signa甲子園」を2005年から実施しています。7回目にあたる今回の「Signa甲子園2011」では、150名を超える全国のSignaユーザーの出席のもと、地方予選を突破した12代表が撮像の技術や画像の美しさなどを競いました。実力伯仲する各代表の白熱した闘いの結果、最優秀の金賞には、財団法人津山慈風会・津山中央病院(岡山県)木原翔先生の 「Volume Calibration」 が選ばれました。
また、同コンテストの終了後、中国労災病院・滝口裕章先生の「MRI装置の災害時での対応」及び聖隷浜松病院・杉村正義先生の「Discovery MR750の使用経験」 2題の特別講演が行われたほか、今月初頭のRSNA(北米放射線学会)で発表されたGEヘルスケアの最新テクノロジーを紹介する 「GE Healthcare MR最新技術紹介」が実施されました(当日の詳細は下記をご参照ください)。
記
日時: | 2011年12月3日(土)15:00~19:20 |
会場: | TKP大阪梅田ビジネスセンター |
主催: | GEヘルスケア・ジャパン株式会社 |
企画・運営: | Signa甲子園2011実行委員会 |
実行委員長: | 島根大学医学部放射線医学講座 内田幸司先生 |
スケジュール: | ・MRI撮像技術コンテスト(全国12代表が発表) ・GE Healthcare MR最新技術紹介 ・特別講演 ・中国労災病院・滝口裕章先生 「MRI装置の災害時での対応」 ・聖隷浜松病院・杉村正義先生 「Discovery MR750の使用経験」 ・表彰式 |
「Signa甲子園2011」 開催報告
「Signa甲子園2011」は12月3日(土)、TKP大阪梅田ビジネスセンター(大阪府大阪市)にて、150名以上のSignaユーザーの参加のもと開催されました。Signa甲子園は2005年に第1回が実施されて以降、毎年開催されており今回で7回目となります。
今年は26の ユ-ザ-ズミ-ティングが全国4ブロックの予選に参加。 その中から、Signa甲子園実行委員会の厳正な審査のもと、各ブロックの定数配分に従い12名の代表が選抜されました。当日はこの12名の代表が、実際の臨床に即応用が可能な演題を次々と発表しました。全代表の発表終了後、各ユーザーズミーティングの審査員および会場の参加者が、各代表の「画質」・「創意工夫」・「臨床的実用性」及び「発表時間」を総合的に評価し、以下の通り3名の入賞者を決定しました。
金賞:財団法人津山慈風会・津山中央病院 木原翔先生
● 発表演題:「Volume Calibration」
● 発表要旨:パラレルイメージング手法であるASSETを肝臓で使用する場合に、キャリブレーションスキャンと 実際の肝臓のスキャンに呼吸による位置ずれが起きるとアーチファクトが発生する場合がある。キャリブレーションスキャンを100mmと厚く設定して Volumeデータのように収集することにより、このアーチファクトの低減を実現した。キャリブレーションスキャン時の息止めが不要となり、また、どの装置にも応用が可能である。
銀賞:国家公務員共済組合連合会・横浜栄共済 高橋光幸先生
● 発表演題:「Inhance 3D velocityを用いたBB-SPGR法の試み」
● 発表要旨:頸部プラークイメージングでは、血流信号の抑制と脂質や壊死成分の描出の両立が課題であった。Inhance 3D Velocity法を用い、Velocity Encodeの設定に工夫を加えることで、頸部プラークのより明瞭な描出を実現した。本法は頸部だけでなく頭蓋内の血管性病変にも適用可能であり、また、短時間で3Dデータが得られるためルーチンで応用範囲も広い。
銅賞:磐田市立総合病院 寺田理希先生
● 発表演題:「頸動脈Black Blood法によるT1コントラスト改善法 ~白と黒のイメージング~」
● 発表要旨: 頸部プラークイメージングで使用されるBlack Blood法では、心電同期を用いるため、心拍数によりTR延長が起こりT1コントラストが得られない場合がある。心電同期の設定に工夫を加えることで、Black Blood法を用いた上でTRを500mSec以下に設定することに成功、これにより常に安定したT1コントラストの画像を描出することを実現した。TRが短いため、条件により短時間、高分解能撮像も可能で応用範囲が広い。
金賞を受賞した津山中央病院 木原翔先生は、「今まで放射線技術部一同で色々と話し合いを行いながら努力してきた事がこのような形で評価をして頂き大変光栄に思います。今回の結果に満足することなく、今後もMRI検査での患者の安全と画質の向上に向けて頑張っていきたいと思います」と、喜びの気持ちを語りました。
その他、今年は東日本大震災の発生時に日本磁気共鳴医学会からMR装置の安全性に関する緊急提言が発表されたことを踏まえて、中国労災病院の滝口裕章先生から「MRI装置の災害時での対応」と題する特別講演がなされました。また、今年販売・稼働を開始した新しいコンセプトのMRI装置 「Discovery MR750の使用経験」につき、聖隷浜松病院の杉村正義先生による特別講演が行われました。さらに、GE Healthcare MRI最新技術紹介として、当社MRセールス & マーケティング部の中上将司から、11月27日から12月2日に米国シカゴで開催されたRSNA(北米放射線学会)で発表されたGEヘルスケアの新技術などをいち早く紹介しました。
なお表彰式では、今回の「Signa甲子園2011」で顧問を務めた大阪大学医学部附属病院の土'井司先生から入賞者に楯の贈呈が行われ、それぞれの発表に対してコメントを頂きました。
なお当社では、今回の「Signa甲子園2011」の発表内容を、当日参加できなかった全国のユーザーに、Signaユーザー向け会員制ウェブサイト「Signa・る(シグナル)」( https://gecommunity.on.arena.ne.jp/signa-l_entrance/index.html )を通じてお知らせする予定です。この「Signa・る」は開設後約5年で、1,900名以上のユーザー登録を獲得しています。
当社ではこのようなユーザーズミーティングの開催を積極的に推進し、MRIのユーザーズミーティングは全国35か所で累計450回を超えています。さらに、MRIみならず、CTやPET、核医学装置、超音波診断装置など他の製品群にまで拡大しているほか、開催地域を国内だけでなく世界各国に広げています。
当社では最先端の技術開発に努め、時代のニーズに合った製品を市場に投入していくとともに、複雑、高度化する診断装置の性能をフルに引き出してもらえるよう、ユーザーの方々のアイデアや工夫も共有しながら、顧客サポートにより一層注力していきます。
(写真中央)金賞受賞:財団法人津山慈風会・津山中央病院 木原翔先生
(写真右)銀賞受賞:国家公務員共済組合連合会・横浜栄共済病院 高橋光幸先生
(写真左)銅賞受賞:磐田市立総合病院 寺田理希先生
Discovery MR750(ディスカバリー MR750) 医療機器認証番号:221ACBZX00095000
GEヘルスケア・ジャパン株式会社は、ゼネラル・エレクトリック(GE)のヘルスケア事業部門であるGEヘルスケアの中核拠点の1つとして、先端的な医療技術ならびに医療・研究機関向けの各種サービスを提供しています。医療用画像診断からライフサイエンス(生命科学)まで幅広い分野にわたる専門性を駆使しながら、GEの世界戦略「ヘルシーマジネーション」で掲げる「医療コストの削減」「医療アクセスの拡大」「医療の質の向上」の実現に向けて、国内外の医療・研究施設を中心に革新的な製品やサービスをお届けしています。主要取扱製品は、CT(コンピューター断層撮影装置)、MRI(磁気共鳴断層撮影装置)、超音波診断装置、医療用画像ネットワーク、メディカル・ダイアグノスティクス(体内診断薬)、生体情報モニタ、液体クロマトグラフィー装置、細胞解析装置。2011年4月1日現在の社員数は2,030名、国内の事業所数は55カ所。
ホームページアドレスは www.gehealthcare.co.jp (ライフサイエンス統括本部: www.gelifesciences.co.jp )。
GEヘルスケア・ジャパン株式会社 広報 松井亜起