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Press Release

Geヘルスケア、アルツハイマー病克服に向けた研究開発を強化 東北大発ベンチャー、クリノと「タウ」タンパク画像診断薬の共同研究契約を締結

April 11, 2012

発症前の診断精度を飛躍的に高めるPET検査用薬剤を創出し
新たな分子標的治療実現につなげることを目指す

米ゼネラル・エレクトリック(GE)のヘルスケア事業部門であるGEヘルスケア(本社:英チャルフォント セントジャイルズ、プレジデント兼CEO:ジョン・ディニーン)は、アルツハイマー病をはじめとする神経変性疾患の克服に向けた研究活動を強化します。

同社のメディカル・ダイアグノスティクス(体内診断薬)事業部門はこのほど、東北大学発ベンチャー企業のクリノ株式会社(本社:宮城県仙台市、代表取締役社長:佐竹典明)と、アルツハイマー病患者などの脳内に蓄積する「タウ」タンパク質を描出する診断薬の開発に向けた共同研究契約を締結。今後、アルツハイマー病の診断・治療における研究開発で世界をリードする東北大学の研究チームと共同で、タウに結合するPET(陽電子断層撮影装置)検査用の放射性薬剤の研究開発を進めます。同薬剤の脳内集積をPET検査で画像化することで、タウ蓄積にもとづくアルツハイマー病の確定診断実現につなげることを目指します。

クリノの取締役イメージング事業部長を務める東北大学未来医工学治療開発センターの工藤幸司教授は、「タウ検査用放射性薬剤の開発には幾つかのハードルがありますが、世界に冠たるGEとの共同研究により同薬剤の更なる進化体への到達と、併せて臨床試験ないしは治験への速やかなる橋渡しを期待しています」と、今回の共同研究の意義を語りました。

また、国内のアルツハイマー病研究の第一人者であり、世界で初めて脳脊髄液からのタウ検出に成功し、サロゲートバイオマーカーとしての意義を唱えた1人である同大学加齢医学研究所の荒井啓行教授は、「現在、アミロイドをPETで画像化する研究成果が蓄積されつつありますが、アミロイドPETイメージングで陽性を示した健常者に、タウPETイメージングを追加することによりアルツハイマー病へ移行するリスクが高い人を抽出し、『超早期のアルツハイマー病』として発症前に予防介入に繋げることができると考えられます」とアルツハイマー病診断におけるタウイメージングの重要性について述べています。

2010年の世界の推定アルツハイマー病患者数は約3,560万人で、2050年には1億1,540万人と3倍以上に増えると予測されています*1。また国内の患者数は、世界に先駆けて進む超高齢化などに伴い、2010年の約200万人から2020年には325万人まで増加すると見込まれています*2。同疾病は脳内にタンパク質の一種であるß(ベータ)アミロイドやタウが蓄積することで引き起こされるとみられており、ßアミロイドは発症の30年前、タウは10年以上前から脳内蓄積が始まると考えられています(以下の図参照)。

GEヘルスケアはßアミロイド検出用PET薬剤としてすでに、米ピッツバーグ大学で開発され2003年に同社が同大学から独占的権利を取得した「11C-PIB」の技術を世界的に提供しています。また、半減期が20分の11C-PIB に比べて5倍以上の110分となる18F-Flutemetamolの開発を進めています。これらの薬剤でßアミロイドを捕捉することで、アルツハイマー病の超早期診断につながると見込まれています。

加えて、今回のクリノとの共同研究でタウ蓄積を捕捉する薬剤が特定されると、アルツハイマー病の重症度診断が可能になるほか、製薬企業・研究機関によるタウを標的とした分子レベルの治療薬の開発促進につながると見込まれています。

GEヘルスケアとクリノは今後、両社での研究開発に加えて、他の企業や研究機関などとの協業を進め、タウ蓄積の捕捉や標的薬の開発など、より迅速で精度の高いアルツハイマー病の診断・治療に貢献することを目指します。

GEヘルスケアは現在、薬剤開発に加えて、PETや磁気共鳴断層撮影装置(MRI)などアルツハイマー病をはじめとする認知症の検出を支援する画像診断装置を幅広く提供しています。また、アルツハイマー病の発症・進行度の評価基準づくりのための大規模臨床観察研究であるAlzheimer's Disease Neuroimaging Initiative(ADNI)を発足時からサポートするなど、日本を含む全世界において、神経変性疾患の画像評価に向けて取り組みを多岐にわたって進めています。

GEヘルスケア、アルツハイマー病克服に向けた研究開発を強化 東北大発ベンチャー、クリノと「タウ」タンパク画像診断薬の共同研究契約を締結

*1出典:国際アルツハイマー病協会「2009年世界アルツハイマー病レポート」
*2出典:下方浩史 我が国の疫学統計 日本臨床増刊号 痴呆症学3 2004;62増刊号4:121-125

GEヘルスケアについて
米ゼネラル・エレクトリック(GE)のヘルスケア事業部門であるGEヘルスケアは、次世代の患者ケアをデザインする先端的な医療技術ならびに医療・研究機関向けの各種サービスを提供しています。画像診断やヘルスケアITをはじめ、メディカル・ダイアグノスティクス(体内診断薬)や生体情報モニターから、創薬、バイオ医薬品、ならびに医療機関の経営支援に至るまで、幅広い分野にわたる専門性を生かし、全世界で一人でも多くの人に、より低コストで質の高い医療を提供することを支援しています。また、ヘルスケア分野のリーダーと協力のもと、世界レベルの規制変更を活用し、持続可能なヘルスケアシステムにスムーズに移行することを目指しています。
GEヘルスケアでは現在、「ヘルシーマジネーション(healthymagination)」のビジョンを掲げ、医療コストの削減、医療アクセスの拡大、ならびに医療の質の向上を実現する革新的な製品やサービスの開発を継続しています。英国に本社を置くGEヘルスケアは現在、世界100カ国以上の医療従事者や患者に向けてサービスを提供しています。ホームページアドレスはwww.gehealthcare.com、最新のニュースはhttp://newsroom.gehealthcare.comをご覧ください(英語版)。

クリノ株式会社について
東北大学発のベンチャーであるクリノ株式会社は、文部科学省のスーパーCOEプログラムのひとつとして2003年に発足した東北大学「先進医工学研究機構」(TUBERO)で活動した4つの研究チームの優れた医工学の研究成果を事業化し、多くの患者さんの臨床応用の実現を目指して2007年11月に創業しました。クリノは、「クリニカルイノベーション」により社会に貢献することを企業理念とします。ホームページアドレスはhttp://www.clino.org/

GEヘルスケア・ジャパン株式会社 広報 松井亜起


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