(本内容は現地時間9/28に英国・ブラジルで発表されたリリースの抄訳です)
世界有数の産油国であるブラジルで、国営企業ペトロブラスは2011年から2015年までに2,240億ドルの設備投資を計画しています。ペトロブラスのプレソルト層への掘削計画を支援するためにGEの Power Conversion事業は、オフショア向けに移動可能な高性能石油採掘装置(リグ)の先進的な設計製造をおこなうケッペル オフショア&マリーンに選定されたこと、およびブラジル向け半潜水型のリグ6基のための発電設備、スラスタと掘削用ドライブ装置を提供することを発表しました。
GEの電気設備はブラジル東海岸沖の深海におけるリグの効率向上とパフォーマンス向上に貢献することが期待されています。ブラジルの沖合でのオペレーションにおいては信頼性が最も重要であり、それが今回GE Power Conversionが選定された大きな要因になりました。
ケッペル オフショア&マリーンは、セテ ブラジルとケッペルのDSS 38Eデザインに基づき、半潜水型掘削リグの設計と製造をおこなう契約を交わしたことを発表していますが、この深海向け掘削リグは2015年第4四半期をめどに運転を開始し、深海に埋蔵される約500億バレルのブラジルの石油掘削に貢献します。
国際エネルギー庁が月次で発表しているオイルマーケットレポートによれば、世界の石油需要は2016年では1日あたり9,500バレルに達すると予測しています。このブラジルの生産計画が実現するならば、2020年にはブラジルは世界の石油供給量の8%に相当する石油を供給することとなります。
Power Conversionのディーゼル発電と推進システム技術の強みのひとつとして挙げられることは、ディーゼル発電機や配電盤、ドライブ装置といった機器のレイアウト上の自由度が高く、もっとも効率的な位置に設置が可能ということです。また、安全性と冗長性の要求事項を確保するため盤単位で容易に分割できるということも利点として挙げられます。冗長性を持った電気系統と制御系統の配線を組み合わせ、厳しい規制上の必要事項を満たし最適なレイアウト・設計が可能です。この結果、特定の設備に逸水や火災といった事象が発生しても、推進システムや電源システムの停電にはならないように設計することが可能です。条件が定められ、制御されたシステムの運用は、船舶の安全と稼働率を確保しつづけるために必要なことです。
「推進装置向け電源の設計の自由度が得られることは、事業者にとって各システムレベルでの冗長性を可能とし、重量や機械の専有面積や投資コストといった点で不合理なペナルティを科せられることなく船の稼働率を向上させることができます。私たちは、オフショアでの掘削をおこなう船舶をよりクリーンにし、生産能力をさらに向上させるためにケッペルFELSに今回のプロジェクトで使われるような発電設備、モータ、ドライブ装置を提供します。」とGE Power Conversion事業における海洋部門のリーダーであるPaul Englishは述べています。
今回の掘削リグのための主要な部品は、迅速で低コストなGEのブラジル工場を通じて、速やかに出荷され、ブラジルのオフショアおよび造船産業の発展に寄与します。なおGEの製品は2012年から2016年の間に搬入される予定です。
ブラジル・プレソルト開発について
今回の計画はブラジル国営企業ペトロブラスによる開発計画の一部、ブラジル・プレソルト層開発を推進します。「プレソルト」層は、石油が埋蔵されていると想定されているブラジル沿岸の大部分を占める海面下の岩盤を指します。「プレソルト」という名は海岸に2,000メートルの厚さにおよぶ塩の地層の下に岩盤があるためです。石油が堆積していると考えられている地点は海底から5,000メートル下の位置となり、「プレ」という表現は塩層が堆積する以前からこれらの岩盤が形成されたことを意味しています。
ブラジル沖合のサントス盆地、カントス盆地、エスピリトサント盆地約500マイルにわたって、プレソルトは100億から160億バレルの可採埋蔵量があるといわれています。この資源を発掘するためにはこれから2020年までにドリル船および半潜水型船といった新たなドリリング船舶40隻が必要となります。
GEはConverteamとして知られたPower Conversion事業を2011年9月に買収しました。 GEのPower Conversionビジネスはインフラにおけるエネルギー変換をサポートする技術とソリューションを提供しています。より環境に優れ、高い生産性を求める今日の産業界の進化に貢献する高機能モータやドライブ、そして制御装置をエネルギーや海洋、各種一般産業向けに設計・提供しています。
詳細についてはwww.ge-energy.com/electrifyingchangeをご覧ください。
日本GE コーポレート・コミュニケーション本部 小池