航空、鉄道、病院、製造、エネルギー関連企業に貢献
- 機械とインターネットを接続することにより、主要産業全体で1,500億ドルの節減が可能
- ネットワーク、工場と施設、資産の最適化を行う9つの新しい技術とサービスを発表
- 新しい「predict and prevent(予測と予防)」航空機メンテナンス技術により、航空機の運航改善を目的としたAccenture社との新たな合弁事業を発表
*2012年11月29日、米国にて発表されたプレスリリースの全訳です。
2012年11月29日【米国カリフォルニア州サンフランシスコ】
GEは、生産性に革命を起こし、グローバルな産業の変革を推進する、9つの新しい産業サービス技術ならびにAccenture社との合弁事業を発表しました。製品診断用ソフトウェアとアナリティクス(分析)を組み合わせたこれらの技術は、機械と機械、機械と人、機械と事業活動を結びつけ、航空、鉄道、病院、製造、エネルギー関連企業の業務効率を高め、コストを削減すると共に、主要産業全体で1,500億ドルの節減を実現できる可能性を提供します。
9種類の新しいインテリジェントなサービスは、GEの「インダストリアル・インターネット(Industrial Internet)技術」を拡大し、ネットワークの最適化、工場と施設の最適化、資産の最適化、サービス品質と生産性という4つのカテゴリーにおいて結果と便益を顧客に提供します。これらの新技術は、エネルギー、石油・ガス、ヘルスケア、航空、鉄道、製造など、主要産業にわたって提供されます。
また、GE アビエーションとAccenture社は、航空機の運航データ、予測、復旧および計画を利用し、航空機の運航効率向上を図るサービスを世界の航空会社と貨物運送会社に提供する新しい合弁事業としてTalerisTMを発表しました。これは、GEが昨年発表した、新たなビジネスモデルを対象とした新しいサービス製品やサポートへの10億ドルの投資の一環となるものです。
GEの会長兼CEOであるジェフ・イメルト(Jeff Immelt)は、「インダストリアル・インターネットはGEがお客さまに提供するサービスに革命をもたらすことで、お客さまの効率と生産性におけるより一層の向上に貢献します。GEは1,500億ドル相当のサービス提供の実績を活用し、工業製品の性能を向上すると共に、施設あたりの収益を年間4~5%改善する技術を開発する予定です」と述べています。
GEが新しく発表した「Industrial Internet: Pushing the Boundaries of Minds and Machines」レポートによれば、各産業にわたって効率を1%高めるだけで大幅な節減が実現します。たとえばエネルギー産業において15年間にわたり燃料を1%節約すれば660億ドルの費用が節減され、航空業界の燃料を1%節約すれば300億ドル以上、ヘルスケアでの1%節約は世界中で630億ドルの節減をもたらします。
「インターネットは私たちの情報消費とコミュニケーション手段を変えましたが、今やさらに多くを実現できる段階に至りました。インテリジェントな機械と機械をつなぎ、そして最終的にはそれらを人々とつなぎ、またソフトウェアとビッグデータのアナリティクスを組み合わせることにより、物理科学や材料科学の境界をさらに拡大して世界の仕組みを変革することが可能になります。GEは2013年にはさらに20の新しい産業サービス技術の提供を開始し、この生産性改善の革命を推進し続ける計画です」とイメルトは述べています。
このたび発表された製品は次のとおりです。
ネットワーク最適化
GEは資産、運用からすべての業務に携わるスタッフまで、顧客の業務に携わるすべての項目をネットワーク化します。これにより複雑さを最小限に抑えて無駄をなくし、顧客の事業目的の達成を支援します。
INTELLIGENT OPERATIONS - 航空
フライトの運航遅延は世界中で年間400億ドルの損失を航空会社にもたらしています。この遅延のうち10%は航空機のメンテナンスに関わる不測の事態によって引き起こされています。GE アビエーションのIntelligent Operationsサービスは独自のアルゴリズムを使い、機体から集めたデータを監視することによりメンテナンス上の問題を診断し、予測します。平均的な米国の航空会社(乗客数1,400万人、年間フライト数85,000便)がIntelligent Operationsサービスを導入した場合、毎年1,000件の出発遅延とフライトのキャンセルを回避することが可能になり、それによって当初の予定通り目的地に到着できるようになる乗客数は9万人に達します。
GEとAccenture社の新たな合弁事業であるTalerisはIntelligent Operations技術を使い、航空機のさまざまな部品やコンポーネント、システムに「機首から尾部まで」設置されたセンサーからのデータを分析し、予測に基づく機体のメンテナンスと飛行業務の最適化を図るための事前対策を推奨します。Accenture社はこのインテリジェントな情報を顧客および計画と復旧のために統合し、すべての機材を対象として事前対策型のメンテナンスのタイミングと飛行ルート計画を最適化します。Talerisは航空産業に技術サービスを提供している、Accenture社の子会社であるNavitaire社から計画と復旧業務を引き継ぎます。Talerisの最終的な設立には許認可の取得が前提となります。ローンチカスタマーの名称は近々発表の予定です。
RAIL NETWORK OPTIMIZATION - 運輸
GE トランスポーテーションのソフトウェア・ソリューションは、資産や業務運用、ネットワークのパフォーマンスを改善することにより、顧客に価値と生産性を提供しています。GEは鉄道、荷送業者、複合輸送ターミナル、修理工場など、輸送ネットワークすべてにソリューションを提供しています。RailConnect Transportation Management SystemとMovement Planner System技術はアナリティクスを活用して重要な情報へのリアルタイムのアクセスを実現し、それによって鉄道会社がより多くの貨物をより迅速に、またよりインテリジェントに輸送することを可能にしています。北米の一級鉄道については業務効率化が鍵となります。この業界の稼働率は約73%であり、1%の改善は年間6億ドル以上の節減を意味します。大規模な北米第一級鉄道であり、GE トランスポーテーションの当初からの顧客でもあるNorfolk Southern鉄道では、ネットワーク速度を1マイル/時高めるごとに年間2億ドルに達する設備と運営経費を削減できると推定しています。この製品のローンチカスタマーはNorfolk Southern鉄道でした。
Grid IQTM Solutions as a Service - エネルギー
GEのGrid IQTM Solutions as a Service(SaaS)は、電力会社がよりインテリジェントなグリッドの監視、管理、制御を行うことを可能にします。クラウドコンピューティングのサービスモデルを使用することにより、こうした機能の展開に必要な時間は従来のターンキー型プロジェクトモデルの半分に短縮され、また展開コストは10%にまで削減されると予想されます。これにより電力会社はすでに実施中のIT業務への金銭的な影響を心配することなく、グリッドの近代化を進めることができます。グリッド近代化は多大な投資を必要としますが、GEのGrid IQ SaaSを使用すれば資本支出ではなく運営経費ベースで近代化を進めることが可能です。これにより電力会社の当初のプロジェクト支出が最小限に抑えられ、小規模な電力会社や市町村を対象とする共同事業組合も収入を倍増できるというメリットを期待することができます。Grid IQ SaaSは電力会社のITインフラストラクチャをクラウドベースのコンピューティングに置き換え、長期的な技術投資に伴うリスクを軽減します。Grid IQ SaaSでは標準的なシステムが展開され、投資の責任を電力会社からGEに移転します。この製品のローンチカスタマーはElectric Cities of Georgiaとジョージア州ノークロス市です。
工場と施設の最適化
GEはすべての機械、機器、人々を結びつけることにより工場と施設のパフォーマンスを引き上げます。このサービスは工場のすべてを総合的に概観して操業の中断を予測、予防し、顧客による施設の最大限の活用を支援します。
HOSPITAL OPERATIONS MANAGEMENT (HOM) - ヘルスケア
GEのHospital Operations Management(HOM)は、病床の割り当て、部署ごとのワークフロー、患者フロー、輸送、機器管理を統合するもので、患者さんの待ち時間を削減するほか、受付から退院まで患者さんの病院滞在期間全体にわたってより効率的で高品質なケアを提供します。ヘルスケアに関わる多数の人々、プロセス、資産の間のコミュニケーションを改善することで、病院は時間と費用を節約し、毎年何百万ドルものコスト負担を生んでいる非効率性を改善できます。この製品のローンチカスタマーはマンハッタンのThe Mt. Sinai Hospitalです。
FUEL AND CARBON SOLUTIONS (F&CS) - 航空
GEアビエーションのFuel & Carbon Solutionsは独自のアルゴリズムを使い、航空機の運用データを検証することにより燃料消費を2%以上削減できる機会を見出します。平均的な規模の航空会社(70機、年間燃油費10億ドル)がFuel & Carbon Solutions導入により2%の燃料消費削減を達成した場合、年間の燃油費は2,000万ドル、二酸化炭素排出は60メートルトン削減され、これは乗用車1万台をなくすことに相当します。この製品のローンチカスタマーはエアアジアです。
REAL-TIME OPERATIONAL INTELLIGENCE - 製造
GEのReal-Time Operational Intelligence(RtOI)ソフトウェアは、工場全体の業務を概観する機能を持ち、工場の状態、機器関連のリスク、規定プロセスへの違反など品質を損なう因子を検出し、予防します。操業担当者の効率が改善することによってリコールが20%近く減少し、製品リコールに伴って一般に発生する1,000億ドル相当のブランドへのダメージを軽減します。この製品のローンチカスタマーはJHP Pharmaceuticalsです。
資産の最適化
GEは資産の監視と統制を改善し、経営資源の消費を削減すると共に信頼性を改善する新しいソフトウェアと既存ソフトウェアへのアップデートを提供します。
FLEX EFFICIENCY ADVANTAGE - エネルギー
GEのFlex Efficiency Advantageは発電機器をリアルタイムで監視します。発電所はこの製品を使って電力需要、グリッドの状態、燃料の供給状況の変化にリアルタイムで対応し、必要な電力量と発電場所を調整することができます。燃料消費を改善してメンテナンス間隔を延長できるため、供給電力量が拡大し、カスタマーサービスの信頼性も高まります。供給電力量の5%拡大は発電所に総額10億ドル相当の新たな価値をもたらします。この製品のローンチカスタマーはKorean Southern Power Co Ltd(KOSPO)です。
DOSEWATCH - ヘルスケア
GEのDoseWatchは放射線量を監視するソフトウェアで、これを導入することで、がんをはじめとする疾患の診断・治療に必要な画質を維持しながら、患者さんに照射される放射線量を40%削減できます。患者さんの安全を保ち規制にも準拠したDoseWatchの利用で、病院は患者ケアにかかるコストを削減できるほか、治療を受ける患者さんも副作用の危険を伴うようなレベルの線量を照射されることがなくなります。この製品のローンチカスタマーはワシントン大学です。
SUBSEA INTEGRITY MANAGEMENT - 石油・ガス
GEのSubsea Integrity Management技術は、生産の信頼性を高める海中遠隔監視システムです。このソフトウェアはウェルヘッド、マニホールド、および産出ステーションに設置された振動、温度、漏出検知センサーからのデータを受け取ります。海底設備への支出額が2015年までに2,250億ドルを超えると予想されている中、GEの状況監視システムは深海での生産を行う顧客に長期にわたる価値を提供します。この製品のローンチカスタマーはShellです。
GEについて
GEは、重要な課題の解決に取り組む企業です。最高の人材、最高のテクノロジーを活用し、エナジー、ヘルスケア、ホーム、トランスポーテーション(運輸)、金融サービスなどの分野で、困難な課題の解決に貢献しています。世界中のインフラやビジネス構築、電力供給、運輸、医療など様々な分野でGEの製品・サービスが使われています。私達は、イマジネーションだけでなく、「実行」する企業です。課題解決を行動にうつす、それがGEの仕事です。日本におけるGEの事業・活動等については、 http://www.ge.com/jp/ をご覧下さい。
日本GE コーポレート・コミュニケーション本部