イノベーションは今後、創造性、地域性、連携によって推進されると経営幹部が回答
21世紀の偉大なイノベーションとは人々のニーズに応えるもの
*2011年1月26日に、米国にて発表されたプレスリリースを元に作成しています。
米コネチカット州フェアフィールド-1月26日-
GEは、21世紀のイノベーション(技術革新)の展望に関する初の調査を行い、国別の技術革新力は、米国とドイツに次いで日本が世界第3位の評価を受けました。
「GEグローバル・イノベーション・バロメーター」と題する今回の調査は、世界12カ国、1000人の経営幹部を対象に調査を2010年12月10日から2011年1月14日にかけて行い、現代における優秀な技術革新力とは、単に利益を最大化するだけではなく、むしろ、人々のニーズを満足させるものであるとの認識が明らかになりました。この調査はGEが調査研究を専門とするStrategyOne社に委託して行い、イノベーションを推進する要素と妨げる要素を明らかにすること、および、イノベーションにまつわる課題がどのように認識されているのかを分析することを目的にしています。
調査によると、今後は、地域のニーズ、個人や小規模組織の創造性の活用、ならびに戦略的パートナーシップの構築が革新のより重要な要素になると思われます。
GEのCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)兼シニア・バイス・プレジデント、ベス・コムストックは、次のように述べています。「今回の調査から、イノベーションにまつわるルールが変化しつつあること、また、企業が競争力を保ち、成長を継続して、経済に貢献するためには、その変化に合わせて戦略を進化させなければならないことが明らかになりました。イノベーションの花を咲かせるためには、イノベーションの新たなパラダイムを受け入れる必要があります。つまり、大きな組織から小さな組織まで、公的機関から民間企業まで、あらゆるプレイヤーとの連携を強化し、創造力を推進するとともに、地域のニーズを満たすソリューションを重視する必要があります」。
イノベーション楽天主義のパラドックス
イノベーションの分野で世界をリードする国を3つ挙げて下さいと尋ねたところ、第1位は米国(67%)、続いてドイツ(44%)、日本(43%)、中国(35%)という結果になりました。イノベーションによって国民生活がどの程度改善すると思うか、また、現在の状況から考えてそのような改善がどの程度実現すると思うか、という点についても尋ねました。今回の調査でトップクラスにランクされた4カ国のいずれも技術革新力はあるものの、今後については楽観的には見ておらず、むしろ、日本でも中国でも悲観的な見方が支配的であることが明らかになっています。米国とドイツでは、楽観と悲観の中間との評価になっています。
このようなパラドックスが生じる理由として、一部の国ではイノベーションを妨げる障壁があると考えられている点が挙げられます。例えば日本では9割に近い回答者(86%)がイノベーションに対する国の支援が効率的に行われていないと感じており、特に国が適切な予算配分をしていないと回答した人が8割いました。さらに国民のイノベーションに対する理解や一般にもたらす恩恵を理解していると思うかと尋ねたところ、否定的な回答が7割近くありました(74%)。日本はイノベーション力のある国だとグローバルで評価されている一方、イノベーションをとりまく国内の環境には満足していない傾向が顕著にみられました。日本の調査結果の詳細は添付資料を別途ご参照下さい。
イノベーションが新たな形の繁栄を生む
今回の調査では、イノベーションは、経済の繁栄を支える強い原動力になると認識されていることが改めて明らかになりました。国家経済の競争力強化にはイノベーションが最も重要であると回答した経営幹部が95%に達したほか、国内で雇用を創出する最良の方法はイノベーションであると88%の経営幹部が回答しました。イノベーションが繁栄をもたらすという考え方は昔からありますが、今回の調査では、繁栄の概念が変化していることがわかりました。経営幹部の3/4以上(77%)が、21世紀において偉大なイノベーションは人々のニーズに応えるものだと回答しました。つまり、単に利益を最大化するだけではなく、健康を増進したりエネルギーの安全保障を推進したりするものが偉大なイノベーションになると考えられているのです。今後10年間、イノベーションは、健康(87%)、環境(85%)、エネルギー安全保障(82%)、教育の普及(81%)など、市民生活のさまざまな分野において変化のきっかけを作り出す役割を果たすものと期待されています。
コムストックは次のように述べています。「今までイノベーションは経済的な利益を生みだすものと思われていましたが、今回の調査では、それが、人々の暮らしを改善するものでもあるというように、優先順位が世界的に変化してきていることが明らかになりました」。
新しいプレイヤー、新しいルール
今回の調査では、イノベーションを創出する方法が変わってきており、個人や中小企業(SME)の重要性が高まるとともに、複数のプレイヤーが協働する必要性が高まっていることが明らかとなりました。実際に、回答者の75%が、21世紀におけるイノベーションの進め方は、今までと「全く違ったものになる」と回答しています。同じく75%の経営幹部が、個人やSMEも大企業と同等のイノベーション力を有していると回答したほか、86%が21世紀におけるイノベーションはひとつの組織が進めるのではなく複数組織がパートナーシップを組んで推進しなければ成功しないと回答しました。同時に、地域市場のニーズに合わせたイノベーションにしなければならないと回答した経営幹部が76%に達しました。
イノベーションを左右する要素として創造性が重要であることも指摘されました。7割近い回答者(69%)が、イノベーションは科学的研究よりむしろ人々の創造性から生まれることが多いと考えています。また、企業がイノベーションを推進するためには、「既成概念に捉われない」発想力のある人材をなるべく多くチームに投入することが最も重要だと58%が回答しました。
GEのイノベーションの道
GEでは、世界が今抱えているニーズに密着した形でイノベーションを促進する戦略を多数、推進しています。そのひとつとして、2010年に開始したGEエコマジネーション・チャレンジでは、2億ドルの資金を用意して、起業家、研究者、SMEのコラボレーションを促進してイノベーションを加速しています。エコマジネーション・チャレンジは同種のプロジェクトとして最大規模のものであり、現在、家庭への電力供給に関するベストなアイデアの発見を追求しています。
GEグローバル・イノベーション・バロメーターについて
この調査研究は、GEがStrategyOneに委託し、2010年12月10日から2011年1月14日にかけて実施しました。対象は世界12カ国、1000人の経営幹部で、調査方法は電話による聞き取り調査です。調査対象の経営幹部は、全員、その企業においてイノベーションと深く関わる人物で、職位はバイス・プレジデント以上です。なお、回答者の30%は「最高―責任者」と呼ばれる職位にありました。調査の対象国は、オーストラリア、ブラジル、中国、ドイツ、インド、イスラエル、日本、韓国、サウジアラビア、UAE、スウェーデン、米国です。
イノベーションとは基本的に、新しい製品、創造性、定義を開発・発明することであると回答者は考えています(31%から回答を取得)。
調査結果とそのまとめは、以下のサイトで確認することができます。
http://files.gereports.com/wp-content/uploads/2011/01/GIB-results.pdf
http://files.gereports.com/wp-content/uploads/2011/01/graphic-innovation...
GEについて
GEは、"imagination at work 想像をカタチにするチカラ"をスローガンに、テクノロジー、メディア、金融サービスという多様な分野で事業展開し、世の中の困難な問題の解決に向けて努力しています。航空機エンジン、発電、水処理・セキュリティ技術から医療用画像診断装置、企業向け・個人向け金融、メディアにわたるまで幅広い商品とサービスを、世界100カ国以上のお客さまに提供しており、約30万人の従業員を擁しています。詳細は、GEのホームページをご覧下さい。GEは、日本においても100年以上にわたって事業展開しており、社員は約5,000人を数えます。日本におけるGEの事業・活動等については、 http://www.ge.com/jp/ をご覧下さい。
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