GEは、環境分野におけるGEのビジネス戦略「エコマジネーション(ecomagination)」の一環として、2010年7月13日(米国時間)より、プロジェクト・パートナーのベンチャー・キャピタル4社(RockPort Capital、Foundation Capital、Kleiner Perkins Caufield & Byer、Emerald Technology Ventures)とともに、世界中から画期的なアイデアを募り、総額2億ドルの資金を投じて21世紀型の次世代スマートグリッドの構築・実現を目指す「GEエコマジネーション・チャレンジ -スマートグリッド-」(以下「チャレンジ」)を開始しました。よりクリーンで、効率的、かつ経済的妥当性のあるグリッドの創造と、スマートグリッド技術の適用を加速させることを目指し、『再生可能エネルギー』、『グリッド』、『エコ・ホーム/エコ・ビルディング』の3つのカテゴリーを対象に、約10週間に亘り、オンラインを通じて広くアイデアを募った結果、150カ国以上の技術者、学生、起業家、および新興企業などから約4,000件のアイデアが集まりました。
GEは、2010年11月16日(米国時間)、それらの世界各国から集まったアイデアの中から、イノベーション・アワード受賞者5組、および総額2億ドルのうち5,500万ドルの投資対象となる12の企業・団体を下記のとおり、発表しました。
賞金10万ドル、イノベーション・アワードの受賞者5組を発表
5組のイノベーションアワード受賞者は、よりスマートかつクリーンで、効率の高いグリッドの開発に役立つアイデアを提案し、本プロジェクトの名にふさわしいチャレンジ精神を発揮した起業家の方々です。受賞者には、アイデアを具現化するための資金としてそれぞれ10万ドルが授与されます。賞の選考は、米国『ワイヤード』誌編集長でチャレンジのアドバイザーを務めるクリス・アンダーソン(Chris Anderson)氏、GE幹部、著名な学識者や技術専門家などで構成される独立した評価委員会が行いました。受賞者の動画は、 www.ecomagination.com/announcements でご覧いただけます。
- キャップストーン・メータリング(Capstone Metering):米国、テキサス州カロルトン
自己発電式インテリジェント水道メーター:
同社は、100年前に登場した水道メーターにリモート通信技術を応用しました。同社の「IntelliH2O」は自己発電式の水道メーターで、リアルタイムで水道システムの管理を行うことにより、水を節約し、人手による検針を不要にします( www.capstonemetering.com )。
- エレクトリックルート(ElectricRoute):米国、ニューハンプシャー州セーラム、ホリス
サイバーセキュリティを備えた、グリッドのための安定した通信ネットワーク:
同社はグリッドの中で特異な場所にある変電所に着目し、送電・配電のための通信ゲートウェイ装置を開発しました。サイバーセキュリティを備えた同社の通信ネットワークインフラは、センサーの重複や変電所内の複雑に入り組んだ銅線を不要にします。
- グリッドオン(GridON):イスラエル、ギバタイム
電流や電力の量を正確に制御することによってグリッドの過負荷に起因する短絡(ショート)や停電を解決する技術:
同社は、事故や停電からグリッドを保護する限流器を開発しました。この限流器によってグリッドの信頼性向上を実現し、代替エネルギー源を活用することにより負荷の増大や発電容量の拡充を可能にします。この技術はバル=イラン大学およびRicor Ltd社との協業によって開発されました( www.gridonsystems.com )。
- アイスコード(IceCode):米国、ニューハンプシャー州ウエストレバノン
風力タービンブレードに付着する氷を瞬時に除去しタービンの減速や停止を回避する技術:
同社は、自然界で最も強力な固着物質である氷を、高出力パルスを利用し熱を加えることにより徹底的に取り除く方法を考案しました。風力タービンにこの技術を応用することにより、除氷に消費されるエネルギーを大幅に削減し、除氷と点検によるダウンタイムをなくします。この技術はダートマス・カレッジとの協業により開発されました( www.icecode.com )。
- ウィンフレックス(WinFlex):イスラエル、キリヤット・ヤム
膨張式軽量風力タービン:
同社は、複合材料からできた軽量で柔軟、安価な布シートから風力タービン用のローターを製造しています。柔軟なローターデザインにより、設置コストを50%以上低減するとともに、投資回収に要する期間を3~4年(補助金なしの場合)に短縮します( http://winflex.co.il/ )。
(*2010年11月16日、米国にて発表されたプレスリリースより抄訳しています)
GEとベンチャー・キャピタルが5,500万ドルをスマートグリッド新技術に投資
GEは、チャレンジの一環として、有望なスマートグリッド技術を有する企業に総額5,500万ドルを投資すると発表しました。これは、GEが複数のベンチャーキャピタルと共同で計画し、「チャレンジ」の一環として実施する、イノベーションへの資金提供の第一弾となるものです。GEはこれまでに10を超える相手とパートナーシップを結び、スマートグリッドの構築に欠くことのできない技術の開発と事業化の促進に取り組んでいます。こうした技術には、エネルギー貯蔵、ユーティリティの安全性、エネルギー管理ソフトウェア、電気自動車の充電サービスなどがあります。GEでは、これらの技術を用いた市場が2015年までに200億ドル規模に成長すると見込んでいます。
このたび、パートナーシップの対象として12のアイデアが選定され、GEは以下の企業や団体のパートナーと投資その他の事業化の合意に向けて積極的に交渉を進めています(うち2件はベンチャーキャピタルとの共同投資)。
- クライメートウェル(ClimateWell):スウェーデン、ストックホルム (家電用省エネ熱交換システム)
- コンサート(Concert):米国、ノースカロライナ州ラーレイ(電力制御システム・ソフト分野)
- FMC―テック(FMC―Tech, Ltd.):アイルランド、シャノン(インテリジェント・センサー技術分野)
- コロンビア大学、Fu Foundation工学・応用科学校(The Fu Foundation School for Engineering and Applied Science, Columbia University):米国、ニューヨーク州ニュー・ヨーク(EV充電設備分野)
- ジュールエックス(JouleX):米国、ジョージア州アトランタ(電力制御システム・ソフト分野)
- オーパワー(OPOWER):米国、ヴァージニア州アーリントン(電力制御システム・ソフト分野)
- サイエンス・コンサベーション(Scientific Conservation):米国、カリフォルニア州サンフランシスコ(電力制御システム・ソフト分野)
- セキュアRF・コーポレーション(SecureRF Corporation):米国、コネチカット州ウェストポート(電力設備セキュリティ分野)
- センチエント・エネルギー(Sentient Energy):米国、カリフォルニア州バーリンゲーム(インテリジェント・センサー技術分野)
- ソーラーダイム(Soladigm):米国、カリフォルニア州ミルピタス(ビル管理システム分野)
- サステインエックス(SustainX):米国、ニューハンプシャー州ウエストレバノン(蓄電分野)
- シナプセンス・コーポレーション(SynapSense Corporation):米国、カリフォルニア州フォルソム(データ・センター・サービス分野)
「GEエコマジネーション・チャレンジ」はこの種のプロジェクトとしては最大規模のものです。このオープンイノベーション・プロジェクトに寄せられたアイデアのエントリー数は、世界150カ国以上から4,000件近くに及びます。GEとベンチャーキャピタル4社は事業化の検討作業を進めておりますが、チャレンジの正式開始からわずか4ヶ月で投資額全体の一定部分を占める5,500万ドル分の投資を決定いたしました。
(*2010年11月16日、米国にて発表されたプレスリリースより抄訳しています)
GEについて
GEは、"imagination at work 想像をカタチにするチカラ"をスローガンに、テクノロジー、メディア、金融サービスという多様な分野で事業展開し、世の中の困難な問題の解決に向けて努力しています。航空機エンジン、発電、水処理・セキュリティ技術から医療用画像診断装置、企業向け・個人向け金融、メディアにわたるまで幅広い商品とサービスを、世界100カ国以上のお客さまに提供しており、約30万人の従業員を擁しています。詳細は、GEのホームページをご覧下さい。GEは、日本においても100年以上にわたって事業展開しており、社員は約5,000人を数えます。日本におけるGEの事業・活動等については、http://www.ge.com/jp/をご覧下さい。
エコマジネーションについて
GEでは、世界が直面する最も困難な課題(「環境」と「医療」)の解決に向け、エコマジネーションとヘルシーマジネーションという2つのビジネス戦略を推進しています。
エコマジネーションは、世界が直面している環境課題の解決に向け、お客さまと社会全体に対して広く貢献できる革新的なソリューションの創造と実現を目指す、GEのコミットメントです。エコマジネーションに認定された製品のポートフォリオは、90種類以上に拡充し、関連製品の売上げは、180億ドル(2009年)に増加しました。取り組みを始めた2005年からの5年間に、GEは研究開発(R&D)費として、50億ドル超を投資しました。そして、今後5年間のR&D投資をこれまでの2倍の100億ドルとし、パートナーとの共同開発など、新時代に向けた新たな取り組みを行うとともに、運転 エネルギー効率の向上、温室効果ガス(GHG)および水使用量の削減を進めてまいります。なお、「GEエコマジネーション・チャレンジ -スマートグリッド-」は、エコマジネーションの一環としてスタートした取組みです。このチャレンジは、GEが促進するオープン・イノベーションに基づき、スマートグリッドの技術開発を促すべく、総額2億ドルの投資を実施するものです。
日本GE コーポレート・コミュニケーション本部