米国第2位の規模を誇る原子力発電会社のエンタジー・ニュークリアは、GE日立ニュークリア・エナジーと改良型原子炉の主要資材調達を含むプロジェクト開発に関する契約を締結しました。今回の契約を受け、エンタジーが、将来的に、発電所の新設を決定した際、GE日立ニュークリア・エナジーによる建設に必要な主要資材(調達に際し、長期間を要する主要資材)の着実、かつタイムリーな供給が可能となります。
エンタジー・ニュークリアは、ニュースタート・エナジー・デベロップメント社を通じて、2007年中に、ミシシッピ州、グランドガルフ原子力サイトの新規原子力発電所の建設・運転一体許可書(COL)の申請を行うための準備を進めています。また、エンタジー・ニュークリアは、2008年半ばを目処に、ルイジアナ州のリバー・ベンドサイトにおける建設・運転一体許可書(COL)を申請するための準備も行っています。
エンタジーは現段階にて、発電所の新設を決定しておりませんが、系統的な取り組みを通じて、2017年頃までに、運用を開始するという選択肢についても柔軟な対応ができるよう態勢を整えています。
電力会社は、現在、お客さまの将来的なエネルギーのニーズ、および新規原子炉建設に関わるコストやベースロード発電に使用できる代替資源など、原子炉の新設を進めるべきかどうかを決定する際に重要な事項を調査・分析しています。
原子力発電所の建設が検討されている2つのサイトでは、GE日立ニュークリア・エナジーが設計した原子炉がエンタジー・ニュークリアによって運転されています。ミシシッピ州ビックスバーグから25キロのところに位置するポートギブソンにあるグランドガルフ原子力発電所には、1,266メガワットの沸騰水型原子炉が設置されており、1985年から運営しています。ルイジアナ州の州都バトンルージュの北西にあるサン・フランスビルのリバーベント原子力発電所には、978メガワットの沸騰水型原子炉(BWR)が設置されており、1986年から商業運転を行っています。
世界各国の電力会社による原子炉新設計画の決定が増加を続けるなか、今後、主要資材の調達が困難になることが想定されます。現段階で、これらの主要資材を、GE日立ニュークリア・エナジーに発注しておくことで、エンタジーは、ESBWR(革新型単純化沸騰水型原子炉)を新設し、2017年頃までに、商業運転開始を可能にするための態勢を整えておくことができます。
GE日立ニュークリア・エナジーのプレシデント兼最高経営責任者(CEO)のアンディー・ホワイトは次のように述べています。「今回の主要資材の受注は、エンタジーが正式に原子炉の新設を決定した場合に、GE日立ニュークリア・エナジーとエンタジーがESBWRの建設計画をスケジュール通りに進めることを確実にするものです。当社は、長年にわたり、エンタジ-と協力関係を築いており、今後も、原子炉新設の可能性などを含め、両社の関係がより一層拡大していくことを期待しています。」
エンタジ-のチーフ・ニュークリア・オフィサーのマイケル・カンスラーは、「プロジェクト開発および調達に際し長期間を要する主要資材の供給を確保する GE日立ニュークリア・エナジーとの契約締結は、当社がお客さまの将来のエネルギー・ニーズに応えるためのコミットメントを明確に示しています。また、こうした段階を踏んだ系統的なアプローチをとることで、将来、新規建設を決断した場合、それの判断がお客さまおよび株主にとっての適切なビジネス上の判断として理解していただけるものと確信しております」と述べました。
エンタジ-・ニュークリアの発注は、ESBWRの建設に必要な大型鍛造品や工程上重要な原子炉機器やタービンの部品などが含まれます。米国内で事業を展開する複数のGEの事業部門、およびグローバル・サプライチェーン・パートナーが同プロジェクトに関わります。
なお、本プロジェクトの契約内容、および受注内容の詳細については公表されておりません。
エンタジー・ニュークリアは、米国エネルギー省(DOE)が支援する原子力発電会社およびGEも含まれるサプライヤーのコンソーシアムであるニュースタート・エナジー・デベロップメントの創立メンバーです。ニュースタート・コンソーシアムは、次世代原子力発電所の設計に関する技術作業の完成、および米国原子力規制委員会のCOLを実践するために結成されました。2005年にニュースタートは、グランドガルフをESBWRの建設候補地として選定しました。ニュースタートの取り組みは、 DOEの「ニュークリア・パワー2010」プログラムの一環として、コスト面における政府からのサポートを得ています。(ニュークリア・パワー2010については こちらをご覧下さい。)
エンタジ-はエネルギー供給関連のサービスを総合的に提供する企業で、主に、電力の発電・供給業務を行っています。同社は約30,000メガワットの発電能力を持つ発電所を所有・運営しており、米国で第二位の原子力発電会社です。エンタジ-は、アーカンソー州、ルイジアナ州、ミシシッピ-州およびテキサス州にいる260万のお客さまに電力を供給しています。同社の年間収益は100億ドル以上で、約14,500名の従業員がいます。
米国ノースカロライナ州ウィルミントンに拠点を置くGE日立ニュークリア・エナジーは、改良型原子炉や原子力燃料、および原子炉関連のサービスを提供する世界有数のプロバイダーです。GEHは2007年6月に、GEと日立の原子力分野の事業提携により設立されました。GEHは、世界各国のお客さまのニーズに応えながら、グローバルに事業展開を行います。原子力分野における新たな提携関係の締結により、GEと日立は統一された戦略的なビジョンを掲げ、より広範なソリューションポートフォリオを提供するとともに、原子炉の新設や原子力関連サービスを提供する機会を拡大します。この提携関係は、世界中のお客さまに原子炉の稼働率、出力、および安全性の向上を実現するために必要な技術面におけるリーダーシップを提供します。
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