循環器と脳血管専用機種、安全・低侵襲・低被ばくの血管治療を実現
ボルケーノ社と血管内超音波診断装置の販売で提携
GEヘルスケアグループの日本法人であるGE横河メディカルシステム株式会社(本社:東京都日野市、社長:熊谷昭彦)は、当社初のフラットパネルディテクタ搭載型バイプレーンX線血管撮影装置「Innova 2121IQ(イノーバ2121・アイキュー)」と「Innova 3131IQ(イノーバ3131・アイキュー)」を、最先端の血管内治療を施行する大学病院や地域基幹病院を主対象に発売します。
Innova 2121IQとInnova 3131IQは、当社のフラットパネル型デジタルディテクタ(以下FPD)搭載X線血管撮影装置「Innova(イノーバ)」シリーズの最上位機種。20cm x 20cmのFPDを搭載したInnova 2121IQは冠動脈や頸部、下肢などの循環器専用、30cm x 30cmのFPDを搭載したInnova 3131IQは脳血管専用のバイプレーンX線撮影装置です。
バイプレーンX線血管撮影装置には、FPDを搭載したCアームが2台、患者が横たわるベッドを囲むように配置されています。1つのCアームを有するシングルプレーン装置に比べ、1回の造影剤注入で同時に2方向からの撮影が可能なため、診断時間の短縮や使用する造影剤量の低減に貢献します。また、外科手術を行わずに血管内からカテーテル(医療用細管)などを用いて病巣にアプローチし、治療するインターベンション(IVR)を、2方向のX線透視画像を確認しながら施行できるため、より安全で、患者の身体への負担およびリスクが少ない低侵襲な施術が可能です。
そのため、心疾患や脳疾患による血管閉塞や狭さく、脳動脈瘤が近年急増するに伴い、最先端の高度血管内治療を施行する専門病院や基幹病院においては、バイプレーンX線血管撮影装置のニーズが急速に高まってきています。その中でも、当社はこのほど、症例数が急伸している循環器と脳血管領域に特化し、各領域で最適なサイズのFPDを有するX線血管撮影装置2機種を同時発売することで、医療機関のニーズに幅広く対応します。
Innova 2121IQとInnova 3131IQに搭載されているFPDは、GEが開発に150億円以上を投資し、開発から製造まで一貫して手がけています。従来のFPDではバイプレーンによる2方向透視時には、散乱線が発生し、画質劣化につながっていましたが、新製品のFPDには「パネルスクラブマネジメント」機能を搭載することでX線の散乱の影響を減少削減し、画質向上を実現しています。
また、IVRに必要なイメージの画質は、治療内容によって患者ごとに異なりますが、従来のバイプレーン装置では、X線量と画質のバランスの選択肢が少なく、治療内容に応じた最適化が図れないこともありました。Innova 2121IQとInnova 3131IQでは、「パーソナライズド ドース」機能を搭載し、60通りの選択肢から、術者が患者の治療内容に合わせて最適なX線量と画質のバランスを選択でき、被ばく量の低減など患者の負担軽減に貢献します。
その他、Innova 2121IQとInnova 3131IQには、静電気を活用して被写体とFPD間距離を自動検出、世界で初めて患者とディテクタ(検出器)の距離を自動制御する「InnovaSense(イノーバ・センス)」機能を搭載、術者のCアーム操作がワンアクションで実行可能です。また、独自のLC正面アーム構造により、大型アームが2組ありながらも、常に患者の頭部方向に広い空間を確保可能で、各種検査に最適なアームのポジションニングができるようになります。
さらに、撮影やIVR時の各種設定や画像処理を、患者のベッドサイドに設置した多目的タッチスクリーン・オペレータコンソールで行う「InnovaCentral(イノーバ・セントラル)」機能を搭載、従来は別の操作室で行っていたオペレーションを検査室で可能にします。
これらの機能により、術者がカテーテル操作により集中できる環境が構築可能になるなど、IVR時の術者の利便性を向上します。
また、当社は12月19日(水)に、ボルケーノ・ジャパン株式会社(本社:東京都港区、社長:大澤潤一)と、ボルケーノ社製血管内超音波診断装置(以下IVUS)「s5iイメージングシステム」の販売提携で合意しました。s5iイメージングシステムは、IVUSを血管撮影装置に取り付けることで、血管撮影室内のワークフローを改善します。従来のIVUSは、重く大きな本体コンソールを臨床使用のたびに移動させなくてはなりませんでしたが、設置型の同システムは、血管撮影装置と同時に起動させ、必要時にすぐに使用可能です。当社は、血管撮影装置Innovaシリーズと併せてs5iイメージングシステムを提案することができるようになります。
当社のFPD搭載X線血管撮影装置「Innova(イノーバ)」シリーズはこれまでに、心血管専用の「Innova 2000」とその後継機種「Innova 2100IQ」、多目的専用システム「Innova 3100IQ」、ならびに頭腹部専用の「Innova 4100IQ」の4機種を発売しています。今回、「Innova 2121IQ」と「Innova 3131IQ」の2機種のバイプレーンX線血管撮影装置を発売することで、当社は同シリーズのラインアップを拡大、心臓などの循環器から頭腹部、全身領域までの血管撮影すべてにFPD搭載装置をそろえる唯一のメーカーとして、顧客ニーズに柔軟に対応することで差別化を図り、全製品群の拡販を狙います。
当社は現在、世界初の64チャンネル・マルチスライスCTで心臓領域の診断に有用性の高い「LightSpeed VCT」や循環器用超音波診断装置「Vivid」シリーズ、病棟ベッドサイドモニタ「Solar 8000i」、心電計「MAC 5500」、そしてこれらの装置の情報を統合するネットワークシステム「Centricity Xi2」など、生理検査部門から放射線検査、カテーテル治療室や集中治療室まで全循環器領域におけるトータルソリューションプロバイダーとして、各臨床現場に最適な製品を提供しています。今回、「Innova 2121IQ」と「Innova 3131IQ」を発売することで、同領域の製品ラインアップをさらに拡充、医療機関の利便性向上ならびにコスト効率改善への貢献を図ります。
新発売2機種一覧
製品名: Innova 2121IQ
希望小売価格: 6億5,000万円
初年度販売目標台数: 10台
発売日: 2007年12月20日
医療機器認証番号: 219ACBZX00035000
製品名: Innova 3131IQ
希望小売価格: 6億5,000万円
初年度販売目標台数: 10台
発売日: 2007年12月20日
医療機器認証番号: 219ACBZX00035000
GE横河メディカルシステム株式会社
GE横河メディカルシステム株式会社は、CT(全身用コンピュータ断層撮影装置)、MR(磁気共鳴断層撮影装置)、超音波診断装置(US)、骨密度測定装置、X線撮影装置、核医学診断装置、PET(Positron Emission Tomography)とCTを組み合わせたPET-CT、患者モニタ、画像ネットワークシステムおよび麻酔器等の販売・サービスを提供する医療用画像診断装置の主力メーカー。米ゼネラル・エレクトリック(GE)のヘルスケア事業部門であるGEヘルスケア(売上高:170億ドル)の世界三極体制(北米・日本・インターナショナル)の一極を担っています。外資系画像診断装置メーカーとして唯一、国内にCT、MR、USおよびプローブの開発・製造拠点を持ち、最先端の技術や製品を日本から全世界に発信しています。現在、"Early Health"のビジョンを掲げ、発病前の兆候発見や個々人の遺伝性素因に合わせた予防医療のデザインなど、画像診断技術とバイオ科学の進化と融合を進めています。特に「悪性腫瘍」、「循環器系疾患」、「ウィメンズヘルスケア」の3分野を重点ケアエリアと位置づけ、複数の製品・技術の多面的なアプローチにより病気の早期発見・早期診断をサポートしています。設立は1982年、日本国内に事業所を53カ所展開。2007年10月1日現在の社員数は1,694名、2006会計年度(2006年1月~12月)の総売上は約1,530億円。
ボルケーノ・ジャパン株式会社
ボルケーノ・ジャパン株式会社は米国に本社を持つボルケーノコーポレーションが100%株式を所有する日本法人として2004年に設立。IVUS製品の製造販売業者として国内で事業を展開しています。
ボルケーノコーポレーション
ボルケーノコーポレーション(本社:米国カリフォルニア州)は、心疾患や抹梢血管疾患に対する血管内治療をサポートするディバイスを開発、製造しています。そのひとつであるIVUSでは、超音波血管内診断装置本体、電子スキャン(Phased Array),及びメカニカルスキャン(Rotational)方式の2種類のカテーテル、更にVHTM(組織性状イメージング)をはじめユニークな臨床アプリケーションを、また血流動態評価装置として、装置本体と血流及び血圧評価用各種ワイヤーも提供しています。現在、2,700台以上のボルケーノ社製IVUS装置及び血流動態評価装置が世界で臨床使用されています。詳しくはホームページをご覧ください。(www.volcanocorp.com)
お問い合わせ
GE横河メディカルシステム株式会社
広報グループ 松井 亜起
Tel: 042-585-9249
Fax: 042-585-9541
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日本GE コーポレート・コミュニケーション本部