※本文は、11月10日に米国で発表されたプレスリリースの翻訳です。
【ノースカロライナ州ウィルミントン 2010年11月10日】
GE日立ニュークリア・エナジー(GEH)は本日、同社の次世代原子炉である革新型単純化沸騰水型原子炉(ESBWR)の蒸気乾燥器の状態をより正確に評価できる新しい手法が米国原子力規制委員会(NRC)に承認されたと発表しました。この評価手法は、既設または計画中の沸騰水型原子炉(BWR)発電所向けに開発されたものです。
蒸気乾燥器は、原子炉の圧力容器の中にある炉心の上部に取り付けられ、蒸気から余分な湿分を取り除く重要な部品です。その後、蒸気は原子力発電所のタービン・発電機に送られ、そこで発電が行われます。
電力会社はNRCに既存のBWRのライセンス変更を申請する際も(発電所の出力向上を計画する際など)、また、GEHの次世代の革新型単純化沸騰水型原子炉(ESBWR)を採用した新発電所の建設を申請する際も、蒸気乾燥器の評価を提出しなければなりません。現在あるいは将来における製品に対する要求事項に蒸気乾燥器がどのように対応できるかを確認する事業者の能力についてNRCの審査が行われますが、GEHはこれに対応して新しい評価手法を開発しました。NRCが今回承認したのはESBWRのみですが、この評価方法は既存の発電所がそれぞれ申請を行う際に利用することが可能です。
GEHのケビン・ラガッセ上席副社長(原子力サービス担当)は「米国では信頼性と効率がよりよい発電所の新設を準備している電力会社が何社かある一方で、既存の原子炉のライセンス延長と出力増強をNRCに申請している会社もあります。新たに承認された当社の分析手法は新設・改良のいずれのケースでも重要な役割を果たします。蒸気乾燥器の能力をより正確に評価できるようになり、申請企業のプロジェクトに対するNRCの信頼を一層高めることになるからです」と述べています。
出力増強を計画している場合、解析結果に基づいて、出力増強条件を達成するために改良型蒸気乾燥器もしくは新型蒸気乾燥器が必要になる可能性があります。GEHは、ノースカロライナ州ウィルミントンとペンシルバニア州キャノンスバーグに、改良型および新型のBWR蒸気乾燥器の設計や製造、設置、計測に、業界をリードする専門的能力と経験を備えた人材を有しています。
エンタジー・ニュークリア社は、ミシシッピー州ポート・ギブソンにあるグランドガルフBWR発電所の出力増強を計画していますが、その一環として、米国の電力会社の中で最初に、GEHの蒸気乾燥器評価手法を全面的に取り入れ、発電所での負荷評価(PBLE)などを実施します。エンタジーは米国第2位の原子力発電会社です。
グランドガルフ発電所に加え、この分析手法は、イリノイ州にある、エクセロンのクワッドシティ2号機とペンシルバニア州にある、PPLサスケハナのサスケハナ1号機の両原子炉における蒸気乾燥器の計測データも比較基準にしており、スペイン、日本、米国でも同様なプロジェクトが実行される予定です。
GE日立ニュークリア・エナジーについて
米国ノースカロライナ州ウィルミントンに拠点を置くGE日立ニュークリア・エナジー(GEH)は、改良型原子炉や原子力燃料、および原子炉関連のサービスを提供する世界有数のプロバイダーです。GEHは、2007年6月に、GEと日立製作所の原子力分野の事業提携により設立されました。原子力分野における新たな提携関係の締結により、GEと日立製作所は統一された戦略的なビジョンを掲げ、より広範なソリューションポートフォリオを提供するとともに、原子炉の新設や原子力関連サービスを提供する機会を拡大します。この提携関係は、世界中のお客さまに原子炉の稼働率、出力、および安全性の向上を実現するために必要な技術的リーダーシップを提供します。
GEエナジー広報部 新村(シンムラ)