※本文は、5月27日に米国で発表されたプレスリリースの翻訳です。
ノースカロライナ州ウィルミントン 2010年5月27日
GE日立ニュークリア・エナジー(GEH)は、ポーランドが計画中の商用原子力発電所に関して、同国における2件目の初期合意締結と技術者の教育支援を行うことで、ポーランドのエネルギー安全保障の強化と、温室効果ガスの排出削減を支援することを発表しました。ポーランドは2ヵ所に合計4基の原子炉を建設する計画です。
GEHは本日、ポーランドの商用原子力発電所建設計画におけるサプライチェーン拡大のため、エンジニアリング・サービスのグローバル企業SNCラバリン・ポルスカと提携する初期合意を締結したと発表しました。
ポーランドの原子力発電所建設計画に関連してGEHが覚書を締結したのは、これが2件目です。今年3月には、ポーランド最大の電力会社であるポルスカ・グルパ・エネルゲティチュナ社(PGE:Polska Grupa Energetyczna S.A.)とポーランドの次世代商用原子力発電所の建設計画に関して協力することで既に合意しています。PGEは原子力発電所を2ヵ所に新設する同国の原子力計画を推進しています。
今回締結した覚書の下で、GEHとSNCラバリン・ポルスカは、PGE支援に向けた話し合いを続けています。PGEは現在、GEHの1,350MWeの改良型沸騰水型原子炉(ABWR)もしくは1,520MWeの革新型単純化沸騰水型原子炉(ESBWR)のいずれかをベースとして、4基の原子炉を建設する可能性を検討しています。ESBWRはGEHの最新設計で、世界最先端の受動的安全システムを備えています。
ロデリック上級副社長は「ポーランドおよび世界中で発電所プロジェクトを順調に開発するために必要な名声と経験、資源を有するSNCラバリンとポーランドで提携でき、大変にうれしく思っております。当社の大学での要員教育計画、ならびにSNCラバリン・ポルスカとの覚書締結は、ポーランドの実業界・政府との協力に取り組む当社の姿勢を反映するもので、これによりGEHの経験豊かなグローバル・サプライチェーンが一段と強化され、PGEは原子力発電所開発に必要な技術とプロジェクト資源を確保できることとなります」と述べています。
また、GEHは、自社のソフトウェアGateCycleTMの追加5ライセンスをワルシャワ技術大学に寄付しました。このソフトウェアは新発電所の運用に当たる高度に熟練した次世代の技術者を養成するために活用されます。
カスタマイズされたGEHのヒートバランス・ソフトウェアGateCycleTMは、原子力蒸気サイクルのモデル作成に使用されるもので、発電所のパフォーマンスを最適化するプラント・モデリングとトラブルシューティングの先進的な手法をエンジニアリング分野の学生に教えるために有用なツールとなっています。
新しい原子力発電所を建設し運用するため、多くの国々で経験豊かな技術者と熟練した労働者が求められる中、GEHが寄贈するGateCycleTMは、ポーランドの大学が自国の長期的な労働力を自ら育成するのを支援することができます。
GEHの新発電所プロジェクト担当であるダニー・ロデリック上級副社長は「ポーランドが初めての原子力発電所の建設計画を推進するにあたり、私どものソフトウェアのGateCycleTMが、ポーランドの新しい原子力発電所で働くために必要な教育を受ける学生たちの役に立ち、原子力がもたらす経済開発効果が明確になるのは喜ばしいことです」と述べています。
ポーランドでは現在、電力の約94%を国内の石炭火力発電所に依存しています。欧州連合(EU)加盟国は、2020年までに温室効果ガス排出量を1990年のレベルより少なくとも20%削減することを目標としており、ポーランドは、石炭火力への依存度を低下させ、温室効果ガス排出削減のため、原子力発電所の新設を計画しています。発電時において二酸化炭素が発生しない原子力発電は魅力ある電源となっています。
GE日立ニュークリア・エナジー(GEH)について
米国ノースカロライナ州ウィルミントンに拠点を置くGE日立ニュークリア・エナジーは、改良型原子炉や原子力燃料、および原子炉関連のサービスを提供する世界有数のプロバイダーです。GEHは、2007年6月に、GEと日立製作所の原子力分野の事業提携により設立されました。原子力分野における新たな提携関係の締結により、GEと日立製作所は統一された戦略的なビジョンを掲げ、より広範なソリューションポートフォリオを提供するとともに、原子炉の新設や原子力関連サービスを提供する機会を拡大します。この提携関係は、世界中のお客さまに原子炉の稼働率、出力、および安全性の向上を実現するために必要な技術的リーダーシップを提供します。
GEエナジー広報部 新村(シンムラ)