心臓突然死発生リスクの予測精度を高めるホルターレコーダー「SEER12」を発売
- 国内最小・最軽量の12誘導心電図対応モデル、小型軽量化と高機能化を両立 -
GEヘルスケアグループ(以下「GEヘルスケア」)の世界中核拠点の1つであるGEヘルスケア・ジャパン株式会社(本社:東京都日野市、代表取締役社長:川上潤)は6月1日(金)、心臓突然死の発生リスクの予測精度を高めたホルターレコーダー(携帯型心電図記録器)「SEER12(シーアジュウニ)」を発売、増え続ける心臓突然死の予知につながる新たなソリューションを提供します。
心臓突然死は心臓病に起因する予期していない突然の病死のことで、急性症状が起こってから1時間以内の短時間で死亡することが多いため「瞬間死」とも言われます。心臓突然死による死亡者数は世界全体では年間約100万人、日本では年間約6万人*1とも言われ(交通事故死数は年間4,612人*2)、増加の一途をたどっています。
この心臓突然死の発生リスクの予測に高い有用性を誇るのがホルター心電図検査です。ホルターレコーダーは夜間睡眠中を含めた日常生活中の心電図データを長時間にわたって記録する携帯型の心電図記録器で、朝晩の比較的心身安静時に出やすい一過性の不整脈や日中活動時に起こりやすい虚血性心疾患など、院内で実施する短時間の心電図検査では捉えきれない症状の検出に広く活用されています。
心臓突然死は心室細動と呼ばれる重度の不整脈が原因で発症するケースが大半を占めますが、T波オルタナンス(TWA)*3やハートレート タービュランス(HRT)*4といったホルター心電図検査で解析可能な不整脈を示す波形と心臓突然死発生の相関メカニズムが昨今解明され、現在ではその発生リスクが予測可能となっています。
これらの実績を受け、本年4月の診療報酬改定では一定の条件下におけるT波オルタナンス検査に新規点数が加算される*5など現在、心電図データを活用して高い水準にある心臓突然死を減らすための取り組みが国全体で推進されています。このためホルター心電図検査の重要性は今後ますます高まると見込まれており、特に予測精度向上につながる詳細なデータを記録できる装置の開発が望まれていました。
今回発売するSEER12は当社のホルターレコーダー「SEER」ブランドの最上位機種で、一般的な心電図と同じ12誘導心電図*6の記録機能を有しながら、同心電図対応装置としては国内最小・最軽量*7ボディを実現し、予測精度を高める高機能化と検査時の患者負担を軽減する小型軽量化を両立させた装置です。
患者の快適性を維持しながら、一段と精細な長時間心電図解析*8が可能になるため、心臓突然死発生リスクの予測精度の向上のほか、その他の心疾患の診断や治療方針、治療の効果測定に貢献すると期待されています。
心臓突然死発生リスクの予測精度を高めたホルターレコーダー「SEER12」
SEER12の主な特長
1. サイズ108 mm(縦)x 86 mm(横)x 22 mm(奥行き)、重さ140グラムと、12誘導心電図に対応したホルターレコーダーのなかで国内最小・最軽量を実現しながら、12誘導心電図の記録が可能
2. 連続記録時間は単3アルカリ乾電池1本で最大48時間と国内ホルターレコーダーで最長*7を実現
3. 液晶モニター(128 x 64ドット)を装備し、誘導波形のチェックも可能
当社は2012年7月5日(木)~7日(土)にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催される第27回日本不整脈学会 学術大会でSEER12を展示します。
国内のホルター心電図の市場規模は年間約27億円*9。2001年に発売した2chまたは3chの心電図を最大24時間連続記録できる小型軽量の「SEER Light(シーアライト)」、2009年に市場投入した検査中に入浴が可能な防水型の「SEER Light WP(シーアライト・ダブリューピー)」がともに循環器科を中心に大規模病院から中・小規模病院、一般開業医までの幅広い医療施設で使用されています。
当社は今回発売するSEER12を最上位機種と位置づけ、循環器疾患を専門的に診断する大学病院や地域の基幹病院を主対象に販売します。また、同製品によってGEブランドの優位性を市場にアピール、ホルター解析システムおよび心電計全ラインアップの拡販を狙います。
*1 出典:2008年 総務省消防庁 統計
*2 出典:2011年 警察庁 統計
*3 T波オルタナンス(TWA:T-Wave Alternans)は、心電図波形上のT波の形状(振幅)が、ABABのように1拍ごとに交互に変化すること。T波は心室の再分極過程を表すため、TWAの発現はこの過程に何らかの異常があると考えられている
*4 ハートレート タービュランス(HRT:Heart Rate Turbulence)とは、代償性休止期(CP)を伴う心室期外収縮(PVC)が出現した直後の洞調律の変動現象のこと。PVC出現直後の2~3心拍の洞心拍が増加(RR間隔短縮)し、その後の4~8心拍の洞心拍が徐々に低下(RR間隔延長)していく。HRTはCP後のRR短縮量を表すTurbulence Onset(TO%)とそれに続くRR延長の速度Turbulence Slope(TS ms/RR)の2つの指数で表される。心筋梗塞後の患者でTO、TSの両指数が異常を示した場合、心臓突然死を引き起こす可能性が高い
*5 運動負荷心電図検査によるT波オルタナンス(TWA)を計測した場合に1,100点が適用となる
*6 12誘導心電図とは、最も一般的な心電図で、四肢に取り付ける肢誘導4本と、胸部に取り付ける胸部誘導6本からなる。肢誘導から6種の波形を導出し、また肢誘導全体を接地として胸部誘導それぞれから1種類ずつの波形を導出するため、計12種の波形が記録される
*7 自社調査(2012年5月)
*8 SEER12で記録した心電図データの解析にはホルター解析システム「MARS(マーズ)」を使用
*9 出典:矢野経済研究所
製品名: | SEER12(シーアジュウニ) |
薬事販売名: | SEER12ホルターレコーダ |
希望小売価格: | 98万8,000円(税抜き) |
発売日: | 2012年6月1日 |
初年度国内販売目標: | 200台 |
医療機器認証番号: | 222ABBZX00019000 |
その他、本資料に記載された装置の製品名/薬事販売名/医療機器認証番号/製造販売は以下の通り
製品名 | 薬事販売名 | 医療機器認証番号 | 製造販売 |
SEER Light | 携帯型心電図記録器SEER Light | 21200BZZ00234000 | 株式会社スズケン |
SEER Light WP | 防水ホルター心電計SEER Light WP | 219AGBZX00094A02 | 株式会社スズケン |
MARS | マルケット ホルター解析ワークステーションMARS | 222ACBZX00047000 |
GEヘルスケア・ジャパン株式会社は、ゼネラル・エレクトリック(GE)のヘルスケア事業部門であるGEヘルスケアの中核拠点の1つとして、先端的な医療技術ならびに医療・研究機関向けの各種サービスを提供しています。医療用画像診断からライフサイエンス(生命科学)まで幅広い分野にわたる専門性を駆使しながら、GEの世界戦略「ヘルシーマジネーション」で掲げる「医療コストの削減」「医療アクセスの拡大」「医療の質の向上」の実現に向けて、国内外の医療・研究施設を中心に革新的な製品やサービスをお届けしています。主要取扱製品は、CT(コンピューター断層撮影装置)、MRI(磁気共鳴断層撮影装置)、超音波診断装置、医療用画像ネットワーク、メディカル・ダイアグノスティクス(体内診断薬)、生体情報モニタ、液体クロマトグラフィー装置、細胞解析装置。2012年1月1日現在の社員数は2,050名、国内の事業所数は55カ所。
ホームページアドレスは www.gehealthcare.co.jp (ライフサイエンス統括本部: www.gelifesciences.co.jp )。
GEヘルスケア・ジャパン株式会社 広報 松井亜起