パリ - 2013年5月8日 - GEのパワーコンバージョン事業は、現場で操作される駆動装置や機械、制御システムの遠隔モニタリングや分析を行う新しい監視システムを発表しました。このVisorアセットマネジメントシステムはGE独自の統合海洋システムソリューションの機能を高め、自動化、自動船位保持、駆動力、電動モーターおよび発電機、原動機、配電機器、ブリッジ制御、航行システム、位置計測機器によって生産性と有用性の向上を図ることができます。
Visorアセットマネジメントシステムの中核となるVisor Insightは、船内の様々な場所から異なる形式のデータを収集し、1画面上にシンプルな文字と画像データとして表示します。また船舶のアラームやセンサーのほか様々なサブシステムからの入力信号もデッキプラン(甲板平面図)上に表示されます。さらにスクリーン上の個別要素をタッチまたはマウスクリックすることで 別階層(レイヤー)の詳細情報が表示されるため、オペレーターは各タスクで必要な情報に素早くアクセスすることができます。
GEのパワーコンバージョン事業でマリン・ビジネス・リーダーを務めるポール・イングリッシュは、 「このシステムは、最小限の操作で最大限の情報を提供するという前提に基づいて設計されました。このためVisor Insightには、タッチスクリーン技術、大きな画像表示、シンプルで直感的に認識できるレイアウトが採用されています。本製品は、現在市場にあるシステムとは異なる世界クラスのデータマネジメントシステムで、GE独自の特徴を持っています。」と述べています。
GEのパワーコンバージョン事業について
GEのパワーコンバージョン事業は、パワーコンバージョンに関する技術とソリューションを駆使し、よりクリーンで、より高い生産性が求められる今日の産業プロセスの進化を促進する高機能モータやドライブおよび制御技術の設計・供給により世界のエネルギーインフラにおける電化をサポートしています。GEのパワーコンバージョン事業はエネルギー、海洋、石油・ガスなどの特殊分野でお客様とのパートナーシップにより最大限の効率性を可能にするカスタムソリューションと最新技術を提供しています。詳細については、 www.gepowerconversion.com をご参照ください。
GEについて
GEは、世界が直面している困難な課題に取り組む企業です。人材とテクノロジーを最大限活用して、インフラ構築、電力供給、運輸や医療、金融に関わるソリューションを提供しています。日本においてGEは、より安全でクリーンなエネルギーの供給や、急速に進む高齢化に対応する医療サービスなどに取り組んでいます。これらの課題を解決するために、技術革新を進め、ステークホルダーと協働して、日本の再生と持続的な成長を目指しています。エジソンを創始者とするGEは、イマジネーションを大事にするとともに、実行する会社でもあります。課題解決のために行動を起こす、それがGEです。日本におけるGEの活動については、 http://www.ge.com/jp/ をご覧下さい。
(参考:Visorアセットマネジメントシステム開発の背景および製品機能)
GEパワーコンバージョンのポール・イングリッシュは、不適切なアラームマネジメントとアラーム認識によって、毎年数十億米ドルの損失が生じているとしており、「アラームシステムのインターフェースはこれまでほとんど進化がなく、アラームが示す内容と適切な対応を理解するまでに時間がかかり過ぎていました。そして刻一刻と時間は経過し、状況が悪化する事態を引き起こすことになります。Visor Insightは簡潔性、正確性と迅速性を提供します。」と述べています。
Visor Insightのユーザーインターフェースは高い多様性を特徴とし、ユーザーのニーズに現場対応することができます。また、複数のアセットを同時に管理することができます。例えば火災時においては、消火手順、アーカイブに保存されている船舶の概略図、煙により消防士の視界が不明瞭な際に役立つ船内の通路に関する映像、消防士が使用している酸素タンクの残量といった様々な情報をスクリーン上に表示することができます。
これらの情報は、制御室のメインスクリーンを見ているオペレーターだけでなく、携帯機器を利用することで船内作業中の消防士も確認することができます。この携帯機器はビデオの録画と音声信号の録音が可能で、これらの情報はリアルタイムでシステムにフィードバックされます。またこの携帯機器は、タッチスクリーン上のスケッチを、システムに接続してる遠隔地のユーザーを含めた全てのユーザーと共有することができます。
Visor Insightが他のデータマネジメントシステムと大きく異なる点は、表示情報の正確さとシンプルさです。イングリッシュは、「全ての受信アラームは写真、文字、色などのオブジェクトに変換されて表示されます。全ての情報は常に同様に処理されます。」と述べています。
Visor Insightは、"eyes on"(「見える」化)を体現したものであり、コントローラーとしての機能を意図したものではありませんが、貴重なアセット管理ツールとして用いることが可能です。例えばあるユーザーが船舶のエンジンルームの画像を表示しその画像にタッチすると、船舶自動化システム内の様々なレベルの情報にアクセスでき、個別の制御スクリーンによって様々な場所からの直接操作が可能になります。イングリッシュは、「制御機能への直接リンクがありますが、それ自体で制御するものではありません。」と述べています。
Visor Insightの生産性ツールバージョンはコンディションモニターと呼ばれます。通常、制御室環境において、オペレーターは数値、グラフ、画像などが表示された15台程のスクリーンから情報を得て状況を把握しています。Visor Insightは同量のデータを一つのスクリーンにシンプルな形式で表示できるため、オペレーターによる迅速かつ容易なデータ認識を可能にします。これは非常時など15台ものスクリーンを検証する時間のない状況においては非常に重要です。
ユーザーは、スクリーンをタッチ操作することで、船舶内のあらゆる機器情報にアクセスでき、これらは緑または時に赤のバーが表示されます。通常より赤の表示が多い場合、ユーザーは問題の特定に当たって関連情報にアクセスすることができます。船長を例に挙げれば、エンジン性能、発電、自動船位保持システムといった情報にアクセスできます。
イングリッシュは、「本システムは現在の状況に関する概略を提供します。ドリルシップの船長であれば、ドリルを操縦する際に、インカムを使った船内通話で手間無く問題が何であるかを知る事ができます。本システムは効率性を大きく向上するツールといえます。」と述べています。
Visor Insightに関するその他製品機能
1. 管理システムの機能向上に寄与
例えばドリルシップの場合は、掘削、消耗品、補充、モニタリング、制御などに関する複数のプログラムで作動しているため、アラーム、ドアやハッチの状態、振動センサー、温度センサー、レベルセンサー、圧力センサー、カメラなど2万ものモニターおよびデータ取得ポイントがあります。これら全ての信号はモニタリングを要するものですが、これら一つひとつの正常動作については個別に表示する必要はありません。Visor Insightは、これら全てのプログラムをフィルタリングしスクリーンに表示します。操作者に取って必要な船舶の情報は船舶の作動状況を示した全体図であり、必要に応じて詳細情報を取得します。Visor Insightは全体図と詳細の両者を提供可能なシステムです。
2. 通信帯域幅についても重要なメリットを提供
これは衛星回線を利用して複数現場にネットワークを拡大したいユーザーにとっては特に重要です。新しい情報が追加された場合はいつでも、即座に更新情報だけを全システムに反映します。この方法は、変更を検知するとフルスキャンを実施し全データベースを更新する従来のデータ分配システムとは異なります。イングリッシュは、「これは、非常に高価な帯域幅を無駄にすることなく、 重要な情報のみを送信するシステムです。」と述べています。
3. GE専門スタッフによる迅速なサポート
将来的には、問題に直面した顧客はGE専門スタッフによる迅速な対応が受けられようになります。イングリッシュは、「アフリカ沖にセミサブ、つまり半潜水型ドリルリグがあるとします。問題が起きた場合、ドリルは停止しなければなりません。現在こういった状況においては、当社は問題が何であるか特定できず、また顧客からも一般的な情報が伝えられるだけです。Visor Insightを用いれば遠隔で問題を特定しアドバイスができ、より問題解決に適切なエンジニアそして正しい機器と部品を送り出すことができます。結果として、効率的、効果的で応答性に優れたサービスの提供につながります。当社も状況が不明朗な状態で解決策を推測する必要がなくなります。」と述べています。
最後にイングリッシュは、「当社のお客様は様々な責任と挑戦に直面しています。当社はVisor Insightによって業界最高レベルのサービスを提供し、お客様のリスク軽減に貢献したいと考えています。お客様の声とニーズを伺った結果、当社が出した答えがVisorです。より迅速なサービスを求めるお客様に、当社は最善の対応策を提供します。私たちは当社のエンジニアを最大限に活用し、当社エンジニアは問題解決に当たって最善を尽くします。これは皆さんが満足する解決法です。」と締めくくりました。
日本GE コーポレート・コミュニケーション本部 小池