発電所が日本の再生エネルギー目標達成を支援し、成功事例に
マレーシア・クアラルンプール、2008年10月23日 ―GEエナジーのイエンバッハ・ガスエンジン2基を使用した日本最大級の木質バイオマス発電所が、アジアン・パワー誌が選ぶ、2008年アジアン・パワー賞・再生可能エネルギー部門で金賞に輝きました。この画期的な発電事業プロジェクトは、これまでは廃棄されていた豊富で再生可能なバイオマス資源を利用し発電するもので、日本における廃棄物エネルギー転換の推進に大きく寄与しています。
アジアン・パワー賞は、年に一度、アジアの最優秀発電プロジェクトに送られる栄誉ある賞です。今年はマレーシアのクアラルンプールで開催された「Power-Gen Asia 2008」で受賞者が発表されました。
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株式会社 日立エンジニアリング・アンド・サービスの金沢巌部長
株式会社 日立エンジニアリング・アンド・サービスの弓田孔生主任技師
GEエナジー・イエンバッハ事業部のアルフレッド・ブフナー ゼネラルマネージャー
再生可能エネルギー部門の金賞を授与する、チャールトン・メディア・グループのティモシー・チャールトン社長
山形で使用されているGEのイエンバッハ・ガスエンジン「タイプ6」
山形県村山市にあるこの発電所は、JFEグループの環境ソリューション・エンジニアリング部門会社であるJFE環境ソリューションズ株式会社(本社:神奈川県横浜市)が建設・設置し、再生可能エネルギー開発を手がける日本バイオマス開発株式会社の子会社で、電力供給会社のやまがたグリーンパワー株式会社が所有・操業するものです。
この発電所は近隣の森林から取り出した木質チップをガス化したものを燃料とし、2メガワットの発電能力を備えています。発電した電力のほとんどを電力会社に販売し、一部を発電所内の操業のために利用しています。
GEエナジー日本代表の堀江渉は、「山形の発電所で実現した特殊なバイオマス燃料技術は、地域の成功事例であると同時に、京都議定書により定められた排出量削減目標達成のために再生可能なエネルギーの利用を拡大するという、日本政府主導の取り組みを支援するものです」と述べています。
日本は、2010年までに再生可能エネルギーの利用を国内のエネルギー供給量全体の3%まで増やすことを目標としています。また再生可能エネルギー戦略の一環として、バイオマス燃料の利用を2010年までに330メガワットに拡大する計画です。
「GEの特殊ガスエンジンの利用に成功したこのプロジェクトは、フレキシブル燃料技術と、プロジェクト開発者にとって深刻な環境・経済的問題を解決するために欠かせないインフラ基盤を提供していこうという私たちの使命を具体化した良い事例となりました。」とGEのパワー&ウォーター部門 社長兼、最高経営責任者のスティーブ・ボルツは話しています。
東京から400キロ北の山形県村山市は日本有数のさくらんぼの特産地としても知られています。他の木ガス発電所とは異なり、村山市のバイオマス発電所は木ガス100%を燃料としており、天然ガスなどその他の予備燃料を一切使用しません。発電所が森林に近いため、これまで廃棄されていた剪定枝などを有効利用し、燃料の原料となる木材バイオマスの安定的に確保できます。
この発電所はGEの最も強力なイエンバッハ"タイプ6"エンジンを2基(JMS 616 GS-S.LとJMS 612 GS S.L)使用しており、2メガワットの発電が可能です。イエンバッハ・ガスエンジンの発電効率は、同規模の従来型蒸気タービン発電所よりも高い発電効率となる36%に達しています。
もう一つの特徴はガス化システムです。この発電所ではJFEが認定したデンマークのバブコック&ウィルコックス・フェルントA/Sのアップドラフト・ガス化ボイラー技術を採用しています。
GEは日本国内にある他の廃棄物ガス化プロジェクトにもイエンバッハ・ガスエンジンを納入していますが、山形の案件は、GEにとって初の、アジアにおける大規模な木質バイオマス発電事業プロジェクトです。なお、これまでにGEは欧州や北米の木質バイオマス発電所にも同エンジンを納入した実績があります。
GEのイエンバッハ事業がアジアン・パワー賞再生可能エネルギー部門で賞を受け取るのはこれで連続2年目です。2007年にはインド・パンジャブ州の牛排泄物バイオガス・プロジェクトで同賞を受賞しました。
山形とインド・パンジャブ州における2つの事例に見られるように、実績あるイエンバッハ・ガスエンジンは、アジア各国における再生エネルギー戦略の促進に多大な貢献をしています。
GEエナジー(イエンバッハ・ガスエンジン事業部)について
オーストリアのイエンバッハを本拠としているGEエナジーのイエンバッハ・ガスエンジン事業部は、発電及び発電用熱電供給システム用に、ガス燃料ベースのレシプロエンジンとパッケージ化された発電機の設備を製造する世界のリーダーです。
イエンバッハ・エンジンは0.25から4MWの出力範囲をカバーし、天然ガス、または埋立処分場ガス、炭鉱ガス、さらにバイオガス、下水処理場ガス、工業廃棄ガスなどの代替燃料など、様々な特殊燃料で運転することができます。新型エンジンとプラント管理システムが一体となった特許取得済燃焼システムにより、世界中のお客さまの厳しい排気基準を満たすことが可能になり、同時に高効率、高耐久性、高信頼性を実現できます。
GEエナジーについて
GEエナジーは、世界有数の発電およびエネルギー供給技術のリーディングサプライヤーです、2007年の売上高は220億USドルでした。本社は米国ジョージア州アトランタにあり、石炭、石油、天然ガス、原子力などすべての資源産業、並びに水力、風力、太陽光、バイオガスといった再生可能エネルギーやその他の代替燃料の分野で事業展開しています。
GEエナジーの製品の多くは、お客さまが環境課題を解決するのに役立つ新技術を積極的に提供するというGEの全社的な取り組みである「エコマジネーション」の認定を受けています。さまざまなコージェネレーション設備に加え、バイオガス、埋立地ガス、炭鉱メタン対応のイエンバッハ・ガスエンジンも、メタン廃棄物に多く含まれるメタンを利用した発電により得られる環境的・経済的効果が認められエコマジネーション認定を受けました。
GEについて
GE (NYSE: GE)は、インフラストラクチャー、金融、メディアという多様な分野で世界規模で事業を展開し、世界の大切なニーズを満たしています。GEは、エネルギー、水、輸送、医療から、お金と情報までを、世界100カ国以上のお客さまに提供しており、約30万人の従業員を世界で擁しています。GEは想像をカタチにする(imagination at work)企業です。
GEは、日本においても100年以上にわたって事業展開しており、社員は約5,000人を数えます。
日本におけるGEの事業・活動等については、本サイトをご参照ください。
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