構成ハブと Historian の概要

Historian システムは、タグ、アラーム、イベントに関連するデータを収集、保存、取得する Historian サーバのネットワークです。

構成ハブ アプリケーションでは、Historian システムとそのコンポーネントを管理できます。

構成ハブ使用利点:
  • 複数の Historian システムを管理できる単一のアプリケーション:構成ハブ を使用して、Historian システムを作成および管理できます。さらに、コレクタ、データ ストア、タグを管理できます。
  • 水平方向のスケーラビリティ:複数のソフトウェア エンティティを接続して単一の論理ユニットとして動作させることで、Historian システムのストレージ容量を増やすことができます。これにより、Historian システムのパフォーマンスが向上します。ストレージ容量は、購入した Historian ライセンスの数によって異なります。
  • 高可用性:Historian システムにミラー ロケーションを作成して、サーバの高可用性を実現できます。いずれかのサーバが利用できなくなっても、ミラー ロケーションの残りのサーバからデータを取得できます。
  • 設定のしやすさ:ユーザ フレンドリなインターフェースを使って必要な情報を提供することで、Historian システムで使用されるすべてのコレクタを簡単にインストールできます。
Historian システムの種類
  • スタンドアロン:スタンドアロンの Historian システムでは、Historian サーバは 1 台のみです。このタイプのシステムは、小規模な Historian のセットアップに適しています。
  • 水平方向に拡張可能:水平方向に拡張可能な Historian システムでは、複数の Historian サーバがあり、すべてのサーバが相互に接続されています。このタイプのシステムは、システムを水平方向にスケール アウトさせるために使用されます。たとえば、Historian システムに 500,000 個のタグがある場合、さまざまなサーバにタグを分散させることで、パフォーマンスを向上させることができます。
Historian システムのコンポーネント:Historian システムでは、以下のコンポーネントが使用されます。このリストは完全なものではありません。完全なリストについては、Historian のドキュメントを参照してください。
  • サーバ: サーバとは、Historian がインストールされているコンピュータのことです。ロケーションと 1 つまたは複数のデータ ストアが含まれています。スタンドアロンの Historian システムには 1 台のサーバしかありませんが、水平方向に拡張可能なシステムには複数のサーバがあります。
  • データ ストア:必要に応じてタグを保存、整理、管理するために使用される、タグの論理的な集合体です。データ ストアの主な用途は、データ収集間隔ごとにタグを分別することです。たとえば、ネーム プレートやスタティック タグ(値がほとんど変化しないもの)をあるデータ ストアに入れ、プロセス タグを別のデータ ストアに入れることができます。これにより、クエリのパフォーマンスを向上させることができます。
  • ロケーション:これらは、データ ストアが作成される仮想エンティティです。ストレージとして使用されます。水平方向に拡張可能な Historian システムでは、以下のタイプのロケーションが使用されます。
    • 分散型ロケーション:このロケーションは、Historian ミラー プライマリ サーバをインストールしたとき、または Historian 分散型/ミラー ノードをインストールしてプライマリ サーバに追加したときに自動的に作成されます。このロケーションを変更または削除したり、別のロケーションを作成したりすることはできません。
    • ミラー ロケーション:このロケーションは、データ ストアに収集されたデータをレプリケートするために使用されます。ミラー ロケーションを作成する際には、1 台以上のサーバをグループに追加してから、レプリケートするデータ ストアを作成します。たとえば、100 個のタグのデータを収集するデータ ストアを作成し、高可用性を確保するとします。その場合は、ミラー ロケーションを作成し、2 台以上のサーバをミラー ロケーションに追加してから、データ ストアを作成する必要があります。そうすると、データ ストアで取得したデータは、ミラー ロケーションのすべてのサーバに保存されます。1 台のサーバがダウンしても、グループ内の他のサーバからデータを取得できます。
  • タグ: データを保存するためのパラメータです(例:温度、圧力、トルク)。
  • コレクタ: データ ソースからデータを収集し、それを Historian や、Predix Time Series や Azure IoT ハブなどの別の宛先に送信するアプリケーションです。
  • データ アーカイバ:すべてのデータをタグ名とタイムスタンプでインデックス化し、その結果を .iha ファイルに保存するサービスです。
  • クライアント: Historian API を使用してアーカイブ ファイルからデータを取得するアプリケーションです。
制限事項
  • ミラー ロケーションに 1 台のコンピュータしか残っていない場合、それを削除することはできません。
  • コメントの追加、デバッグ モードの有効化、データ収集の一時停止、データ収集の再開、オフライン コレクタのインスタンスの変更、削除はできません。また、ネットワーク メッセージを圧縮することもできません。ただし、コマンド プロンプトでコレクタ マネージャ ユーティリティを使用して、コレクタ インスタンスを追加または削除することはできます。
  • 構成ハブウェブ管理コンソール を同じコンピュータにインストールし、両方に自己署名証明書を使用すると、構成ハブのログイン ページが表示されません。この問題を防ぐには、ドメイン セキュリティ ポリシーを無効にしてください。
    1. 次の URL にアクセスしてください:chrome://net-internals/#hsts
    2. [ドメイン セキュリティ ポリシー]セクションの[ドメイン セキュリティ ポリシーを削除]フィールドで、構成ハブのドメイン名を入力し、[削除]を選択します。
  • 構成ハブ は、クラスタ化された Historian 環境ではサポートされていません。