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アディティブ・マニュファクチャリング(積層造形{せきそう ぞうけい})とオーダーメイド

この記事は、GEの米国本社(ゼネラル・エレクトリック・カンパニー)が2012年5月21日に公開したGE Reportsの全訳です。
※原文はこちら: "The Fine Print: How Additive Manufacturing and Bespoke Products Are Changing the Way We Make Things"

 

ひらめきの瞬間
ひらめきの瞬間:GEはサンフランシスコで開催されたメーカー・フェア・ベイエリアにハイコンセプトな体験型ラボのGEガレージを出展しました。GEガレージにはMakerBotなどの3Dプリンタ、レーザーカッター、射出成形機、コンピューター数値制御の加工機械といったハイテクツールを設置し、子どもはもちろん大人の皆さんにも、最新のプロトタイピングや製造の技術に触れ、体験型のワークショップをお楽しみいただきました。またゲストスピーカーを招いた講義等にも多数ご参加いただきました。上の写真のGEロゴが入った電球は、レーザーカッターで作成したものです。
GEガレージに設置された3Dプリンタ。さて、何を印刷しよう?
GEガレージに設置された3Dプリンタ。さて、何を印刷しよう?
GEガレージのCNCミル
GEガレージのCNCミル
GEガレージの射出成形機で作った小さなロボット
GEガレージの射出成形機で作った小さなロボット
Brollyflock:メーカー・フェア・ベイエリアに展示された「裏切り者」傘の集合体
Brollyflock:メーカー・フェア・ベイエリアに展示された「裏切り者」傘の集合体
アディティブ・マニュファクチャリングは、航空機製造など、軽量化によって大幅な燃料節約が可能になる産業に利益をもたらすでしょう。しかしGRCチームは、医療やエネルギーを含むGEのすべての部門にこの「印刷」技術を応用しようとしています。イオリオは「この可能性を考えるとわくわくします。私たちは、GEの製品ラインのさまざまなコンポーネントに使用されているポリマー、セラミック、金属などのあらゆる素材に、アディティブ・マニュファクチャリングを応用することを目指しています」と言います。

従来の印刷技術と同じように、アディティブ・マニュファクチャリングのプロセスは製造部品の3Dイメージを保存したデジタルファイルが出発点になります。GRCのソフトウェア技術者チームでは、この手法のパワーを最大限に発揮するための設計アプリケーションの開発を進めています。イオリオは「設計者が新たな製造の自由を享受できるように、新しいツールを提供する必要があります」と述べています。

別の技術者チームは、実際の「印刷機」の開発に多くの時間をつぎ込んでいます。イオリオは「まだ多くの障壁があります。機器の進歩は目覚ましく、ユーザーが組み立てられるMakerBotなど、一部にはかなり安価な製品もあります。しかし航空機のエンジンを構成するような部品を金属から作る場合は、百万ドルかそれ以上の機器を使わなければなりません」と言います。

製造スピードや製品の大きさも課題です。イオリオのチームは「機器の処理速度を上げるにはどうしたらよいか、より大きくて材料特性の信頼度が高い部品を作るにはどうすればよいか」といった問題に取り組んでいます。チームには物質科学者のほか、機械、製造、ソフトウェア分野の技術者、化学者、物理学者、そしてGEのさまざまな部門の専門家が含まれます。イオリオは「これは多くの専門分野の力を集めた取り組みで、そのことが私たちの強みになっていると思います」と述べています。

かつてフォードは、「T型フォード」の組み立てラインのパワーとスピードを生かして競争を勝ち抜きました。しかし今はそれだけでは不十分。消費者は自分のニーズに合った商品を求めているからです。イオリオは「マス・カスタマイゼーションという大きなトレンドから見ると、アディティブ・マニュファクチャリングはお客さまのオーダーメイドに応えるための手法だと言えます。従来の製造業ではしばしば高価な工作機械を製作しなければならず、開発投資回収のために同じ型の部品を大量生産する必要がありました。しかしアディティブ・マニュファクチャリングではそんな必要はありません。1つずつカスタマイズされた違う形の部品を作るのも、同じ部品を繰り返し作るのと同じくらい簡単なのです」と述べています。
ヘンリー・フォードが自動車製造に組み立てライン方式を導入し、工場でのものづくりを一変させてから100年。最近登場したアディティブ・マニュファクチャリングの技術にも、それに匹敵するインパクトがあるかもしれません。GEグローバル・リサーチ(GRC)の物質科学者のルアナ・イオリオは、「製造業にとって最大の出来事の1つ」だと言います。

アディティブ・マニュファクチャリングでは、鍛鋼を切断したり型押ししたりするような従来の製造法とは異なり、物質の層を次々と重ね合わせていくことでデジタルファイルの物体を「印刷」する手法を採ります。これを導入すると、燃料ノズルやブレードなど、従来は成形が難しかった複雑な形状や構造の製品をより簡単に製造できるようになります。GRCのアディティブ・マニュファクチャリング研究を指揮するイオリオはこう言います「設計者はまったく新しい自由を手に入れます。従来の製造上の制約に縛られず、製品に期待される必要な機能を追求できます」。