日本経済新聞社が2010年3月まで運営していたウェブサイト「日経エコロミー」に連載したものです。
この記事は2008年6月17日に掲載しました。
GEでは2006年から継続的に、年間1,500万ガロン以上の水を消費する施設で、飲料水、処理水、サニタリー用水、淡水を利用した非接触型冷却水(NCCW)などの消費データを収集しています。
世界中の水不足解消に向けての取り組み(08/06/17)
■GE社内、2012年までに20%の水消費量削減目標
2007年にはGEの施設内で合計約100億ガロンの淡水が使用されました。これは米国内で40万人が年間に消費する量に匹敵します。しかし一方、同年、毎日20億ガロン以上の水を淡水に転換する淡水化膜や、年間210億ガロン以上の水を再利用したり、排出水量削減を可能にする処理膜など、世界の水資源を保護すると同時に、持続的に水を供給する新たな製品を市場に投入しました。GEでの2007年の水使用量は、前年比2%減となっています。
現在、2012年までにグローバルでの水使用量を20%削減するというGEの新たなコミットメントを達成するために、様々な計画が進んでいます。
・カナダ、オークビルにあるGE施設では、水処理および廃水処理の先端技術であり、エネルギー効率が非常に高い限外ろ過膜技術、ZeeWeed膜廃水処理技術を導入しています。1日最大2万5,000ガロン(95立方メートル)の水を再利用し、灌漑、サニタリー、消化システムなどに使用、これにより、同施設の淡水消費量は最大85%削減され、飲料水の供給を浪費することもなくなっています。
・米国オハイオ州イーヴンデールにある航空機エンジン事業施設(GEグループ全体の15%にあたる水を使用)、イタリア・フィレンツェのコンプレッサー製造工場、中国・無錫のウォーター&プロセスソリューションの製造プラントでは、自社のテクノロジーを駆使した水消費量削減プロジェクトの導入が進められています。
■中国テクノロジーセンターの取り組み
GEは世界で4ヵ所研究開発拠点を擁し、様々な分野のクリーン技術の研究開発に取り組んでいます。
中国・上海にある中国テクノロジーセンターでは、「中国による、中国のための(In China, For China)」プログラムを2005年より発足させ、中国国内の環境問題を正しく把握し、GEがこれまで培ってきた経験と深い専門意識を問題解決に活かすべく活動しています。
中国・北京の浄水施設
水資源の浄化、工業プロセスにおける水利用の効率化、汚染防止、水の再利用などを中心に調査研究が進められ、その結果として膜技術、膜バイオリアクター/化学物質など、エネルギー効率の優れた新しいテクノロジーが開発され、これらを様々なシステムに適用することで、都市や工場の水利用コストを抑えることができるようになりました。海水淡水化、温まった水を安価に冷却する冷却塔の効率化、廃水処理や再利用などを中核に、中国の大規模製造業向けソリューションを開発しており、政府当局や業界関係者と連携しながら、中国の水資源問題に対する真の解決策を追求しています。
■世界各地で水不足に取り組む
GEは世界各地のお客さまのニーズに応じた水処理技術ソリューションを提供し、21世紀の課題である水問題の解決を目指しています。
インドでのHomespring水ろ過システム
・2020年までにはアジア、アフリカ、中東地域を中心に世界的な水不足が懸念されていますが、GEは太陽光発電モジュールと水ろ過技術によって清潔な飲料水を精製し、広く提供しようと取り組んでいます。現在対象となるのはインド農村部、東南アジア、アフリカなどで、低コストでメンテナンス頻度の低い、導入の容易なソリューションを実現しています。太陽光発電によってシステムを稼動させるので、送電系統に接続されていない遠隔地にも水ろ過システムが設置可能です。GEのHomespringろ過システムでは、水質の浄化に化学物質を必要とせず、限外ろ過膜によって微粒子を物理的に除去するとともに、寄生虫、細菌、ウィルスといった汚染物質を削減します。
・カナダ・オンタリオ州で2番目に広い行政区であるピール地域。ここでは、2007年6月、世界最大の「限外ろ過膜」施設の運用が開始されました。ここで使用されているのはZeeWeed膜。浸漬空洞繊維膜を利用して粒子状物質と水を分離する技術により、廃水処理および廃水処理能力を飛躍的に向上させました。従来採用されていたのは砂によるろ過方式でしたが、これと比較して半分の面積で1日9,600万ガロンの水を処理しています。ピール地区ではほかの施設でも、砂ろ過方式からZeeWeed膜へ移行する計画が進められています。GEのZeeWeed膜は、水を巡る様々な要求への対応と、厳正化が進む法規制の遵守を実現するソリューションとして、世界の様々な自治体や産業施設で採用されています。
カナダ・オンタリオ州に採用された最先端水処理/排水処理限外ろ過膜技術「ZeeWeed」
カールスバッドプラントの稼動は2010年を予定しており、完成すれば30万人の住民に5000万ガロンの安全で環境に優しい水を十分に提供できるようになります。このプロジェクトにより、カールスバッド市をはじめとするサン・ディエゴ郡の給水機関に郡内で生産された飲料水が安定的に供給され、郡外からの供給や降水に依存することなく、水不足を緩和できる見込みです。
・オーストラリアは過去最高レベルの旱魃被害に直面しており、国内のほぼ全域で厳しい取水制限を行っているにもかかわらず、主要な水源の多くはこれまでにないほど低水準の水位を記録。水源が完全に枯渇し、給水車に頼らざるを得ない地域も出ています。現在、政府、産業界一丸となって送水パイプラインの敷設、水の再利用、海水淡水化など様々な解決策を講じており、問題解決に投入された資金は教育プログラム、貯水槽への補助金、大規模な整備プロジェクトなど数十億ドルにも達しています。GEはオーストラリアの政府機関や各パートナー企業と連携し、コンサルティングやソリューションの提案などを行っており、緊急問題への対応と、長期的な水の安全保障の確立という2つの問題解決を目指しています。