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エネルギー安全保障や環境負荷への懸念の解決策としてエコマジネーションを始めた」と話すGE グローバル・リサーチのマーク・リトル
エネルギー安全保障や環境負荷への懸念の解決策としてエコマジネーションを始めた」と話すGE グローバル・リサーチのマーク・リトル
「環境投資はヘルスケア・ビジネス戦略とともに、21世紀のGEを支える成長エンジン」と強調するイメルトGE会長兼CEO
「環境投資はヘルスケア・ビジネス戦略とともに、21世紀のGEを支える成長エンジン」と強調するイメルトGE会長兼CEO
企業規模を問わず、国内各地から19社1大学が技術展示
企業規模を問わず、国内各地から19社1大学が技術展示
■グローバルパートナーシップの実践

併設会場で開いたジャパン・テクノロジー・フォーラムは、日本との技術開発協力を重視するGEの考えを最もよく表すものでしょう。企業規模を問わず、優れた技術力を持つ日本企業とGEとの協業の可能性を探り、情報交換や技術展示による相互交流を図るもので、2007年に続き2度目の開催です。今年は、GE独自の選考による19社1大学が参加。GEグローバル・リサーチのリトル所長も会場を訪れ、出展者の説明に熱心に耳を傾けるなど、熱のこもった交流の場となりました。

GEは革新的な技術の開発を基礎としながら、企業間だけでなく、官民・国の垣根を超えた討議や実践的な協業を進め、事業を通した環境課題解決への貢献が重要だと考えています。
官民一体となった地球環境の取り組みを求めた藤森義明・日本GE社長兼CEO
官民一体となった地球環境の取り組みを求めた藤森義明・日本GE社長兼CEO
ゲストパネリストとして参加した(右から)経済産業省・竹谷厚、日立製作所・小豆畑茂、日産自動車・久村春芳の3氏
ゲストパネリストとして参加した(右から)経済産業省・竹谷厚、日立製作所・小豆畑茂、日産自動車・久村春芳の3氏

 

日本経済新聞社が2010年3月まで運営していたウェブサイト「日経エコロミー」に連載したものです。
この記事は2009年6月11日に掲載しました。
環境問題に対して、どう行動すべきか。米ゼネラル・エレクトリック(GE)は日本政府と民間企業の実務責任者を招き、その答えを探るフォーラム「GE エコマジネーションデイ 2009」を東京都内で開催しました。今回はその模様を紹介します。
環境問題の解決へ政府・企業はどう行動すべきか――「GE エコマジネーションデイ2009」レポート(09/06/11)
■地球環境対策を促進するふたつのパートナーシップ

「地球環境対策には、ふたつのパートナーシップが不可欠。ひとつは政府と民間企業との間の、もう1つは民間企業同士のグローバルなパートナーシップ」。藤森義明・日本GE社長兼最高経営責任者(CEO)はフォーラムの冒頭で、官民一体となった地球規模の取り組みをテーマに掲げました。
国際的な政府間の取り組みについては、経済産業省・産業技術環境局の竹谷厚・地球環境対策室長が基調講演しました。主張が対立しがちな先進国と途上国のすべてが参加し、目標達成に向けてそれぞれが公平な負担を負う枠組みづくりが先決とした上で、長期目標達成のためには、技術革新が不可欠であると強調しました。

重点的に取り組むべき21のエネルギー革新技術を紹介しながら、こうした技術開発に取り組む国内企業の支援として、革新技術の開発に対する予算、太陽光発電などの新エネルギー利用を促す助成金、国内クレジット制度やカーボンフットプリント制度などの社会的仕組みづくりなど、政府としての様々な政策を報告しました。

また、世界各国の開発資源を有効活用するため、どの国がどのような技術を開発しているかという技術マップを各国で共有する仕組みが必要だとし、政府・民間の双方に利益をもたらすグローバルパートナーシップの在り方を提示しました。
民間企業からは、日産自動車フェローの久村春芳氏が、EV(電気自動車)の開発状況を紹介。電気自動車の普及に当たって、自動車そのものの開発・改良だけでなく、運転者の意識変革、充電ステーションの設置や電力網とIT技術を組み合わせた、より効率的な電力利用を実現するスマートグリッドをはじめとする社会インフラがそろって進むことが重要であると強調しました。関連し排出量基準を超過している車に罰則として課税し、下回っている車には優遇措置として購入補助金を支給するフランスの事例を引き、政府の強力な推進策を求めました。

続いて日立製作所の小豆畑茂・執行役常務は民間企業同士の国際連携について、知的財産保護の制度整備が不可欠だと主張し、激しい競争にさらされる国際企業の視点として注目を集めました。日立は原子力発電ビジネスでのGEの戦略的パートナーであるほか、欧州ではCO2排出量の少ない石炭火力発電技術の開発、中国・雲南省では省エネルギー・廃熱利用工業システムモデル事業を展開するなど、様々な国際協力に取り組んでいます。小豆畑氏はこのような実績を基に、先進的な日本の環境技術を海外移転する重要性と共に、多額の費用を伴う技術開発の成果が保護されなければ、積極的なインセンティブ(動機付け)が働かなくなると言い添えました。

経済産業省の竹谷氏も、技術移転を受ける側である途上国が知財保護を徹底しないと技術移転が進まないと指摘し、途上国は「地球温暖化の原因をつくったのは先進国」という主張をタテに、先進国からの支援や技術移転を当然視しているフシがある、と国際交渉の難しさを説明しました。
■GEグローバル・リサーチが追求する新たな可能性

GEは技術開発を事業の中心に据えており、技術研究機関であるGEグローバル・リサーチの役割を重要視しています。マーク・リトル同研究所所長は、「世界人口とエネルギー需要は増大し、だれもがエネルギーの安全保障や安定供給に不安を抱くと同時に、環境負荷に対する懸念を持っている」と話し、「これらの問題を解決するためにGEはエコマジネーション(ecomagination)をスタートさせた」と語りました。

その上で、「常に可能性を追求する」というGEグローバル・リサーチの基本姿勢を紹介。具体的にはコスト・レベルを大幅に引き下げる太陽光発電パネル、性能を飛躍的に改善するガスタービン、ブレーキ制動時のエネルギーをバッテリーに蓄え動力とするハイブリッド機関車などをはじめ、家庭用製品から社会インフラに至る幅広い研究成果を披露しました。

リトル所長は技術開発の姿勢として、「共通のニーズに的確に当てる」「技術に対して積極的に投資する」「最適なグローバル・パートナーを見つける」の3点を挙げ、中でもパートナーシップの重要性を強調。技術大国である日本で、優れたパートナー企業との連携を今後も加速していきたいと、日本への期待の大きさを改めて表明しました
■既存システム変革迫る5つの要因

GEのジェフリー・イメルト会長兼CEOは、「経済の循環サイクルと経済・社会システムの根本的なリセットという2つの側面に同時に対応しなくてはならない」として、企業経営の視点を提示しました。特に、既存システムの変革を迫る根本的なリセットを促す要因として次の5つを示しました。

1.金融システムの再構築

2.グローバルな規模における政府の役割の増大

3.(消費に対して慎重になるというような)国民の意識変化

4.技術革新の進展

5.新興国の台頭:石油などの資源国、中国のテクノロジーセンター化など

その上で、米国全体ではGDPに対する研究開発投資の比率が減少し続ける中、GEは研究開発投資を毎年増やしているとした上で、環境技術への投資はecomaginationビジネスとして結実しており、今年5月に導入したヘルスケアビジネス戦略「healthymagination」とともに、21世紀のGEを支える成長エンジンになるとしています。

また、このフォーラムのテーマである国際連携の実例として、日立製作所や日産自動車との協業について触れ、世界で最も優れた技術開発力を持つ国の1つである日本との協力関係を特に重視していると強調しました。