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INCJの発足式。「環境エネルギー」「ライフサイエンス」など政府と連携したイノベーションに日本GEの貢献が期待されている
INCJの発足式。「環境エネルギー」「ライフサイエンス」など政府と連携したイノベーションに日本GEの貢献が期待されている

 

日本経済新聞社が2010年3月まで運営していたウェブサイト「日経エコロミー」に連載したものです。
この記事は2009年8月18日に掲載しました。
日本ゼネラル・エレクトリック(GE)はこのほど、政府が中心になって設立した産業革新機構(INCJ)に日本企業15社とともに資本参加しました。日本GEは日本発のイノベーション(技術革新)のために、これまで日本企業とのパートナーシップを促進する事業を展開してきましたが、その活動の一環として政府主導によるイノベーションと産業活性化を実現を目指す組織に、外資系として初の参加を決めました。
GE「産業革新機構」に外資系として初参画 環境技術・ライフサイエンスを支援(09/08/18)
■最大1兆円規模の資金でイノベーションを支援するINCJ

地球温暖化防止のため、CO2をはじめとした温暖化ガスの排出削減など環境対策の推進は地球規模での喫緊の課題です。1997年の温暖化防止京都会議で90年比欧州8%、米7%、日本6%のCO2削減目標が設定されましたが、日本の場合、約束期間が始まった08年以降も目標通りのCO2排出量削減は難しい情勢です。日本政府は新たにCO2排出量を、20年に05年比15%削減するという目標を掲げています。それを実現するためには、環境分野だけでなく社会構造のイノベーションも必要になってきます。そして環境対策のために革新的な技術開発は企業が単独で対応できるスケールではなく、企業連携や政府とのコラボレーションによるイノベーションが必要となっています。
INCJには日本の有力企業に加えて日本GEが参加した(写真は発足式での藤森・日本GE社長兼CEO)
INCJには日本の有力企業に加えて日本GEが参加した(写真は発足式での藤森・日本GE社長兼CEO)
INCJは「産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法」(産活法)に基づいて発足した15年間の時限組織です。産業や組織の壁を超えて、新たな付加価値を創出する事業に対する支援を目的に設立されました。INCJの設立にあたり、政府は820億円を出資したほか、日本の大手企業15社と日本GEも1社が5億円ずつを出資し総額905億円の資金規模を確保しています。また、INCJが金融機関などから資金調達をする際には最大8000億円の政府保証が付与されます。この最大約1兆円規模のINCJの資金は、投資ファンドを通して、企業や公共団体、大学や研究機関など先端技術の開発や事業化、イノベーションの促進などに提供されます。INCJでは今後、特に「環境エネルギー」「ライフサイエンス」「エレクトロニクス」「機械・部品」「高機能素材」といった分野を対象に技術開発の支援をする計画になっています。

5月に来日した米GEのジェフ・イメルト会長兼最高経営責任者(CEO)は、環境分野での日米の連携の重要性について、各界の要人との話し合いを重ねました。今回、GEが外資系企業として唯一INCJに参加したのも、環境分野やライフサイエンスなどでGEが独自に進めている企業活動が評価され、日本発のイノベーションへの支援を期待されたからにほかなりません。

日本GEの藤森義明社長は「INCJへの資本参加は、いかなる経済環境にあっても研究開発投資を重視する姿勢の表れと言える。INCJが注力する分野はまさにGEが世界的に推進している2つのイニシアチブである環境分野のエコマジネーションと、医療科学分野のヘルシーマジネーションに一致する」と話しています。
■INCJへの参画はGEが進めるエコマジネーション戦略に合致

エコマジネーションは、世界が取り組まなければならない地球温暖化防止をはじめとした環境対策分野で、GEが05年に発表した企業戦略です。「エコマジネーション製品・サービスの売上高拡大」「環境技術への研究開発投資倍増」「地球温暖化ガスの排出削減とGEの企業活動に関するエネルギー効率向上」「水の使用量削減と再利用の促進」「環境に関する情報公開」の5つのコミットメントに基づき、「10年までにエコマジネーション関連製品の売上高250億ドル」「環境技術へのR&D投資を10年に15億ドルへ拡大」することなどを目標に掲げています。エコマジネーション製品の売上高については、当初、10年段階での事業規模の目標を200億ドルに設定していましたが、各分野でエコマジネーション認定製品が拡大し、さらに環境対策分野での活動が市場から注目されたことで早期に目標達成できるめどがついたことで、10年の売上目標を上方修正した経緯があります。
JTF会場で、参加した企業の技術について意見を交換するGEの研究開発担当幹部(中央は藤森・日本GE社長兼CEO)
JTF会場で、参加した企業の技術について意見を交換するGEの研究開発担当幹部(中央は藤森・日本GE社長兼CEO)
■日本企業との連携を推進してきたGE

環境分野や医療科学分野でのイノベーション(技術革新)に実績を持つGEが、日本の企業と並んでINCJに参加することで日本企業の持つ技術力とGEの持つ技術およびイノベーションのソリューションから、新たに登場するプレイヤーを支援することで環境や医療科学分野のビジネス開拓促進につなげていきます。

GEはこれまでにも日本市場で企業とのパートナーシップ促進のための事業を進めてきました。一例が04年に始動した「ジャパン・テクノロジー・イニシアチブ」(JTI)であり、さらに中小企業との技術連携を推進するために07年10月に発足した「ジャパン・テクノロジー・フォーラム」(JTF)です。第1回は33社が参加し、その中から5社との協業が実現しています。また、今年5月には第2回のJTFを開催し20社が参加しました。

日本政府のプロジェクトであるINCJの出資企業に日本GEとして参加したのも、GEとして政府と連携して環境対策技術開発や環境事業の推進、ヘルスケア分野でのイノベーションを強力に推進するという目的の一環ということになるわけです。