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―実際にサービスを利用されたお客様の満足度や評価はいかがでしょうか。

鳥谷峯: 総合的にみて、とても満足されているお客様が多いですね。私たちは3ヶ月ごとにサーベイを実施し、お客様満足度を調査しています。お客様の評価項目は10段階に分かれ、例えば「このサービスを友人の研究員に進められますか?」という設問もあります。それを集計し、傾向を把握します。そして、結果を3カ月ごとにお客様の管理者や経営者の方に公開をしています。ただ集計するだけでなく、お客様からいただいたコメントを一つ一つ見て改善し、満足度をあげていく試みを継続的に行っています。

ただサービスの導入を始めたばかりのお客様は、変化を好まないところもあり、最初の段階の評価は厳しいものが多いのです。しかし、実際に私たちのサービスを体験されると、例えば、「メンテナンスにかかわる時間が減り、助かりました」「研究に使える時間が増えました」と、その良さを理解され、満足されるお客様が増えているのは確かです。しかし、すべてのお客様が満足されているわけではありませんから、私たちのサービスにはゴールはありません。

■業界初のチャレンジ!GEのヘルスケア ライフサイエンス統括本部が最も力を入れる新事業分野「SAS(Scientific Asset Services)」とは?

―GEヘルスケア・ジャパンの「SAS(Scientific Asset Services)」ビジネスについてお聞かせください。

鳥谷峯: 「SAS(Scientific Asset Services) ※以下、SAS」とは、業界初の試みとして2008年にスタートした、製薬会社を対象とした駐在型マルチベンダーサービスです。私は、このビジネスの立ち上げ後間もない2009年から、このビジネスを担当するようになりました。 GEヘルスケア・ジャパンの中でも最重要プロジェクトとして位置づけられ、しかも業界初のチャレンジ。そのため、全社で注目されており、私自身、大きなやりがいを感じながら、この難しいビジネスに取り組み始めたのです。

そもそも、私たちが「SAS」ビジネスをスタートさせた背景には、製薬会社の「新薬開発のスピードアップ」というニーズがありました。国内メーカーに限らず、製薬会社では薬の特許切れが一番大きな問題になっています。例えば、薬の特許期限が切れた場合、ジェネリック医薬品に取って代わられてしまいます。新しい薬の開発が進んでいない場合、特許期限切れが直接収益にダメージを与えかねません。そのため、多くの製薬会社は「できるだけコストを削減したい、生産性を改善したい。しかし、薬を生みだすための研究はスピードアップしたい」と考えます。そのニーズに応えるためにGEが見いだしたソリューションが「SAS」ビジネスだったのです。

私たちが考える「SAS」とは、単に自社の製品を駐在型でサポートするものではありません。他社の製品や業界を越えた研究資材をも取り込んで、研究開発に関わる全ての機器・資材のメンテナンスのサポートをします。そこにこのビジネスの難しさと革新性があります。

研究員の方はさまざまな仕事をしながら研究開発をしています。例えば、機器が故障した場合、研究員の方は、メーカーへのメンテナンスへの依頼、スケジュール調整、見積、エンジニア訪問の際の案内、作業中の立ち合い、確認等で修理1件につき何時間も時間を費やします。当然、その時間、研究員の方が本来やるべき新しい薬の開発から離れています。そこで私たちがその研究員に代わってメンテナンスに関わる全ての業務を代行することで、研究員はその時間を本来の研究業務にむけることができるため、結果として、研究業務のスピードアップを図ることができる、ということになります。さらに、そのメンテナンス業務をプロがトータルに行うことで、より効率的に、短時間に処理することが出来るのはもちろんのこと、計画的なメンテナンス計画を立てることができる上、研究機器や資材を資産として見た場合の効率的な「資産計画」や「資産管理」も可能になります。つまり、私たちGEは、単にサービスを提供するのではなく、お客様のパートナーとして、ひとり一人の研究員の、また、その製薬会社の研究機関全体のトータルなサポート業務を担っているのです。

Nobuo Tayamine

鳥谷峯信男

GE Healthcare
ライフサイエンス統括本部
技術サービス部 部長

【略歴】
東京電機大学卒業後、横河メディカルシステム(現GEヘルスケア・ジャパン)入社。画像診断機器のサービスエンジニアとして10年間勤務後、シックスシグマのBB,MBBとしてサービス本部の生産性改善、品質改善に携わる。その後オペレーションマネージャーを経て、2009年9月にライフサイエンス統括本部に異動し、現職に就任。技術サービス部のリーダーとしてSASを初めとするサービスビジネスの成長を牽引している。

―SASは業界初のチャレンジということですが、なぜ他社は参入できず、GEだけが実現できたのでしょうか。

鳥谷峯: 日本では、私たちの会社の規模は、この業界ではそれほど大きくありません。他社でもやろうと思えばやれるはずなのです。チャレンジする一歩を踏み出せるか、踏み出せないか、その違いだと思います。GEは他社と比べ、ビジネスモデルを立ち上げるスピードが早いのは確かですが、チャレンジすると決めたら、必ず実行するというところが違うのかもしれません。大きな変革を起こすときは、いろいろな苦労が伴いますが、必ずやり遂げるのがGEの文化だと思います。

また、GEの企業文化として、既成の枠を越えるチャレンジングな姿勢がありますが、おそらく、この業界の他社では、「自社の製品のみならず他社の製品のメンテナンスも、さらには、業界の枠を超えた研究器機のメンテナンスまで取り込んだサービス」という発想自体が常識を越えたものであり、ビジネスのテーマとして考えにくいこともあると思います。

実際、競合他社の機器が故障した場合、製薬会社の研究員に代わって、GEの社員がその競合他社へ、メンテナンス依頼の電話をするわけですから、それは、常識的には考えにくく、なかなかそういう発想には行かないのではないかと思います。

ところで、GEには、もともと「SAS」の海外でのビジネスモデルはありました。でも、国によって、製薬業界、医療機器業界の事情はさまざまです。日本市場には、他の国にない難しさがあり、そのため、私たちもこのビジネスを日本で展開するにあたっては、アメリカやヨーロッパで行っているスタイルをそのまま踏襲したわけではありません。国内の製薬メーカーのお客様のニーズをくみ取って、日本独自の方法を展開する必要がありました。この3年間は、難しい壁をいくつも乗り越え、試行錯誤の繰返しでしたが、今は、このビジネスはまさにお客様にとっても、私たちにとってもwin-winのモデルだと感じています。お客様からいろいろな意見をいただきながら、さらにビジネスの可能性を追求していきたいと考えています。